千葉県銚子市は6月29日、令和7年度銚子市入札不正行為に関する調査・再発防止策報告書を発表した。
銚子市職員4名は2025年9月25日に、秘匿情報を漏えいしたことによる入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律(官製談合防止法)違反及び公契約関係競売入札妨害罪の疑いで書類送検されており、2025年10月31日に書類送検された4名のうち2名(職員A、B)は起訴、残り2名(職員C、D)は略式起訴され、略式起訴された2名(職員C、D)は同日、罰金80万円の略式命令を受けていた。
同市では2025年9月25日に、職員4名が官製談合防止法違反及び公契約関係競売入札妨害罪の容疑で書類送検されたことを受け、公務に対する市民の信頼を取り戻すため、事件の経緯の調査、これまでの取組の検証、再発防止策の検討等に資することを目的として、同市における不適正事案に係る検討会議を設置している。
千葉地方裁判所では2026年2月18日に、起訴された職員のうち1名(職員A)に対し懲役2年6ヶ月・執行猶予4年が、翌2月19日には、もう1名(職員B)に対し、懲役2年・執行猶予3年の判決が言い渡され、刑が確定している。
同市では2025年11月12日に、略式起訴された2名(職員C、D)に対し停職3ヶ月の懲戒処分を行っている。
同市では2026年2月20日に、起訴された2名(職員A、B)に対し免職の懲戒処分を、当時の上司5名に減給10%・3ヶ月(2名)、戒告(1名)、訓告(1名)、厳重注意(1名)の処分を行っている。2025年12月22日には、市長給料減額の条例改正が可決し、2026年1月から3月の期間、30%の減額となる。
また同市では2025年11月4日に、事件に関わる2事業者の入札参加停止期間を12ヶ月に決定し、その後、2026年4月30日には入札参加停止期間を24ヶ月に延長することを決定している。
同報告書によると、事情聴取・公判傍聴で確認できた情報漏えいに関する態様は下記の通り。
1.今回の事件における主な秘匿情報の漏えい場所及び漏えい手段
勤務場所で直接工事費等を電話で教示する手段
勤務場所で直接工事費等が記載された金入設計書などを交付する手段
勤務場所で業者が持参した書面に直接工事費等を記載する手段
2.今回の事件以前から「ヒント」として応札業者が有利となる情報の個別提供が行われる風習があったこと
・ヒントの定義
「ヒント」は業者が持参した設計金額に対して「上か下か」などを伝えること。
「ヒントの定義は示されていない。」と発言する職員もいた。
・「ヒント」が与えられるようになった時期
事件発生以前から「ヒント」を与える風習はあった。
「ヒントを与えてはいけない。」と言う職員も
また、今回の事件における情報漏えいの動機・経緯として、下記の通りまとめている。
・自己の利益を目的としたものではなかったこと。
職員4名のうち1名が、2,000円~3,000円のお菓子を2回、受け取っていたことは確認されたものの、いずれの職員も金品は収受しておらず、接待を受けていない。
・過去の発注工事において業者に借りがあったこと、業者に対する情がわいたこと、業者からの押しに負けたことなどが動機となっていたこと。
小規模工事の発注の際、金額が折り合わない場合、業者に金額を調整してもらったことがあった。
一般競争入札による工事で軽微な追加費用が発生する場合、設計変更は行わず、受注した業者の負担で対応してもらうことが複数回あった。
業者から仕事を受注するのに苦労しているとの話を聞き、やる気のある会社に頑張ってほしいと思い肩入れしてしまった。
業者から秘匿情報を教えてほしいと言われたときに、一度は断った。その際「会社が苦しい。」とか「儲からない。」との話をされ、同情してしまい教えてしまった。
なお、設計書などの契約関係書類は、鍵の掛かるような場所で保管しておらず、設計システムのログインに関し、事実上、課内で共有されていた管理者権限のIDを実際に使ったこともあるとのこと。

