電子スパイ・システム「エシュロン」によるスパイ容疑で英国と米国を提訴(フランス)
情報筋によると、フランスの弁護士は世界的監視ネットワークによるスパイ容疑で英国と米国を提訴する意向だ。
最近、機密指定を解かれた米国家安全保障局(NSA)の文書が公開され、コードネーム『P-415 エシュロン』の存在が明かとなった。エシュロンは世界規模の電子
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最近、機密指定を解かれた米国家安全保障局(NSA)の文書が公開され、コードネーム『P-415 エシュロン』の存在が明かとなった。エシュロンは世界規模の電子スパイ・システムで、電話の会話、ファックス、電子メールを傍受する。
英国、米国、豪州、ニュージーランド、カナダ各国の諜報機関がUKUSA同盟を結成し、エシュロンは1980年代にその一環として設立された。通信傍受装置は英国ヨークシアのMenwith Hill基地内に設置されている。
過去にUKUSA同盟のメンバーでエシュロンの存在を公に認めた者はいなかったが、この2月にジョージワシントン大学がエシュロンに関する文書をネット上で公開し、その存在や民間衛星通信を傍受する能力が明かとなった。
パリ在住の弁護士Jean-Pierre Millet氏によると、エシュロンはあらゆる携帯電話、衛生電話の傍受が可能だが、キーワードを含む会話のみ解読する。「フランス政府の大臣が携帯電話をかける度に、録音されているのは確かだ」と同弁護士は述べ、エシュロンのシステムはフランスのプライバシー法に抵触するとして「フランスでは、通信傍受を目的とした行為は違法だ。しかも、その傍受された情報が利用されている」とフランスの市民権擁護団体の代理人Millet弁護士は提訴する意向を表明した。
《ScanNetSecurity》