Web改竄の対策とツール(第1章)】インターネット セキュリティ システムズ株式会社〜Scan Security Handbook Vol.5抜粋記事〜 | ScanNetSecurity
2024.05.06(月)

Web改竄の対策とツール(第1章)】インターネット セキュリティ システムズ株式会社〜Scan Security Handbook Vol.5抜粋記事〜

1.EC成功の鍵 ― パフォーマンスと可用性 ―

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1.EC成功の鍵 ― パフォーマンスと可用性 ―

 ECなどというと、学校で習った欧州共同体(現EU)かと思ってしまうが、最近ではE-Commerce(電子商取引)の略語として定着している。ITの側面から見るとこのECサイトの成功には、パフォーマンスの維持や可用性の向上が第一にあげられる。一般にインターネットサーファが我慢できる反応速度は6秒と言われるが、この時間は短縮される一方で、特に今後ADSLやCATVのような常時高速接続が当たり前になってくると、利用者側のストレスは下がるため、逆にECサイト側のパフォーマンスはより高いものを要求されるようになるであろう。
また、よくトラブルの起きるサイトから人の足が遠のくのは火を見るより明らかで、競合のひしめくサイバースペースにあって類似のサービスを提供するサイトに人々は流れていく。

 こういったパフォーマンスや可用性を向上させることは、システムやネットワークを多重化し、高性能なCPUを用意し、更にパフォーマンス管理やバックアップ管理などのいわゆるシステム管理ソフトが導入されるところまでは比較的どこのサイトでも行われているところである。気の利いたサイトでは、ソフトウェア開発工程にも管理ソフトを導入し、問題が起きた際に社内開発システムについても直ちに修復できる体制を整えているようなサイトもある。

2.ちょっと待て!セキュリティは?

 しかし、これだけでは不十分だ。すでに多くの人々が危惧し始めているセキュリティが欠けている。しかしながらセキュリティ強化と簡単に言ってもそれは複雑怪奇ですぐに対策、すぐに導入とはいかない。また、強化しようと思えばいくらでも莫大な費用をかけ、原子力発電所並みの強化だって可能だし、社員でさえほとんどアクセスできないような非常に使いにくいシステムに仕立て上げることも可能だ。要は、個々の企業にとって何をどの程度守るのか、守るべき企業の価値(それは、企業内の情報の価値だったり、システムダウンによる損失だったりするかもしれない)に対してどの程度の費用をかけるのかといった大前提をまず明確にしなければならない。

 例えば、Webサーバのバックエンドのデータベースサーバに、企業の存続にも関わるような重要な顧客情報が格納されているのならば、それを守るために最大限の防御を考えるべきであろう。また、自身のサイトに重要な情報が無いという場合でも関係のある企業、それは系列企業だったり、得意先だったりするかもしれない、そういう企業に対する不正侵入の玄関口になってしまうかもしれないということを認識すべきである。

 最近では分散型のサービス不能攻撃(DDoS)における、1攻撃サイトとして知らず知らずのうちにどこか他のサイトを攻撃することになるかもしれない。
この場合、攻撃者に攻撃の片棒を担がされた無垢の第三者なのだと主張することはできる。しかし、現状ではこのような場合セキュリティに対する不備が、結果として他のサイトを攻撃したことになるとして、その攻撃された企業から被った被害について損害賠償訴訟を起こされてもおかしくはない。少なくとも、当局からはこの事件の調査のため、攻撃に荷担することになったシステムや、ハードディスクは長期間に渡り没収されることは希なことではない。決してシステムが損傷したわけでもなく、データはそこにあるのに、システムはそこに格納された貴重な情報とともに証拠物件として没収され、その場から消してしまうことになる。

インターネット セキュリティ システムズ株式会社
新宮邦彦
URL:http://www.isskk.co.jp/
お問い合わせ先:sales@isskk.co.jp

※本記事は、Scan Security Handbook Vol.5(Web改竄の対策とツール)からの抜粋記事です。Scan Security Handbook Vol.5は下記URLよりお申込いた だけます。
詳細&申込: http://vagabond.co.jp/vv/p-sh05.htm


(詳しくはScan本誌をご覧ください)
http://www.vagabond.co.jp/scan/

《ScanNetSecurity》

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