【InstaGate EX2(1)】(アイティラボ代表 荒澤弘樹)
■概観
今回試用したInstaGate EX2(以下InstaGate)は、実にコンパクトな筐体でA4ノートPCのやや厚みのある程度の大きさである。前面パネルには電源、HDDアクセス、LAN、WANのactivityを示すLEDが9個とシステム稼動の状況が示される小さなLCDとクロスカーソルタイプのス
特集
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今回試用したInstaGate EX2(以下InstaGate)は、実にコンパクトな筐体でA4ノートPCのやや厚みのある程度の大きさである。前面パネルには電源、HDDアクセス、LAN、WANのactivityを示すLEDが9個とシステム稼動の状況が示される小さなLCDとクロスカーソルタイプのスイッチ、さらにシャットダウン用の小さなスイッチ(先の細いもので押すタイプ)があるだけである。カーソルタイプのスイッチは簡単ないくつかの設定が出来るようだが、柔らかすぎるタッチのため、あまり操作性は良くない。尚、ソフトウェアの設定は後述するブラウザからの操作で全て可能なためこのカーソルを使用することはほとんどないと思われる。
背面には、LAN、WAN用のEthernetのRJ-45コネクタ以外に、USBポート2個、シリアルポート2個、パラレル(プリンタ用)ポートがあり、拡張カードスロットが1つ用意されているが、このスロットはISDN用のものらしい(ヨーロッパ向けのようだ)。電源スイッチはなく、付属のACアダプターを接続して電源をONにするとシステムがスタートするという極めて簡単なものである。
電源ONから約20秒でシステムサービスが開始される。HDDへのアクセス音がするあたりは、このInstaGateが言ってみれば『Linux組み込みPC』であることを物語っている。
ベースになっているLinuxはRedHat 6.0で、内蔵の10GBのHDDがソフトウェアの本体と言える。その他のソフトウェアについては後述するが、何しろいわゆるUnix系のOSであるからシャットダウンは慎重に行いたいものである。電源ONは極めて簡単であるが、シャットダウンは前面のシャットダウン用のスイッチを先の細いもので押すか、後述するブラウザのメニューから行うのが重要である。初めてこのInstaGateを触る時にはこの点を確認してから作業するのが良いと思われる。付属の50ページ弱の英語のインストールガイド以外に、このような注意点を日本語で書いたガイドがあると親切かもしれない。
■セットアップ
筆者は、専用線で接続されたルータからHUBを介してInstaGateのWANポートにストレートケーブルで接続し、LAN側は別のHUBにストレートケーブルで接続してこちら側にはWindows2000のPCを配置した。WAN側はグローバルIPアドレス、LAN側は192.168.1.0/24のローカルIPアドレスというごく普通のFireWall構成である。
背面のシリアルポートを使用してモデムに接続し、ダイヤルアップ環境で使用することもできそうだが、価格的なものを考えるとそんな用途はモデムやTAで事足りるであろうから、今回は試していない。
InstaGateには、セットアップ用のCD(Windows95/98/NT4.0/2000用)が付属していて、インストールガイドにはこれを使用するように記述があるため、前記のローカル側のWindows2000のPCにセットアップしようとしたが、CDに含まれるserverconfig.exeは実行しても何も起きなかった。どうやら設定は全てPCのブラウザから行えるようである。つまり、付属のCDは不要なのである。
InstaGateのdefaultの設定でDHCPサーバが起動しているため、クライアントのPCのIPアドレスをDHCPサーバから取得するように設定しておき、http://192.168.1.1:8000/ にアクセスすることで設定用の画面が表示される。
ほとんど全て日本語化されているため各種設定は簡単だが、それぞれのサーバアプリケーション(デーモン)の設定の経験が全くない場合は、難しいと感じるかもしれない。Linuxの使用経験があれば、理解は早いと思われる。
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執筆:アイティラボ代表 荒澤弘樹
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(詳しくはScan本誌をご覧ください)
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