米国は、アルカィーダにインターネット・サービスを提供しているとされているマネーロンダリング組織「Hawala」を摘発 | ScanNetSecurity
2024.05.02(木)

米国は、アルカィーダにインターネット・サービスを提供しているとされているマネーロンダリング組織「Hawala」を摘発

概要:
 米国の調査によりテロ組織アル・カィーダに資金提供支援とインターネットアクセス及び安全な通信網を提供していると目される組織が特定された。

国際 海外情報
概要:
 米国の調査によりテロ組織アル・カィーダに資金提供支援とインターネットアクセス及び安全な通信網を提供していると目される組織が特定された。

 2001年11月7日、ブッシュ大統領がAl-Taqua (アル・タクア)及びAl Barakaat(アル・バラカート)の2つの組織を、テロ組織との資金源のパイプ役という事で名指しした。更に大統領によれば、この2つの組織はインターネットや通信手段の確保にも協力していたと目される。Hawalaと呼ばれる外国通貨両替などをおこなっている組織の最前線であるこの2つのグループの関与がHawalaのアル・カィーダテロ組織の資金源ルート確保関与の疑いを濃くしている。

 大統領によれば支援グループは" テロ組織支援のために取引の一部を資金提供に充てていた疑いがある"という見解を出すと共に、"(犯罪支援網の入り口にあたる)個々の表面的な組織はどれも小さな組織だが、ネットワークを手繰っていくと金融機関から最新技術まで強大な大量殺人鬼であるテロ支援団体がいる事がわかる。"と発表。

 Al-Taqua(あるいはAl-Taqwa)はイスラム同胞に強いコネクションを持つ企業であり、Lugano, Switzerlandに本部機構があり、支店としてはリヒテンシュタイン、バハマ、イタリアにある。

 Al-Barakaatは米国都市にも支店を持つ国際企業である。 MSNBC.comによれば、米国税関は、北ヴァージニアで発見された2つの事件をきっかけにボストン、ミネアポリス、シアトルおよびコロンブスの支店を閉鎖させた。Al-Brakaatはソマリアおよびアラブ首長国連邦への強い結束を持っており、約40国に支店がある。議長であるAhmed Nur Ali Jim'ale(アフマッド・ヌール・アリ・ジムアエル)はAl-Brakaatとはテロ組織とは何等関係がない事をAP通信社に伝えており、米国での強制閉鎖を非難している。

" hawala "とはアラビア語で"信頼"を意味する。金額大小に関わらず旧来の方法を使用し追跡調査が出来ない方法で世界中に資金移動が出来る。電子交信記録はおろか、記録された紙片も残さない方法は依頼者の国内にいるhawaladarと呼ばれる仲介人(ディーラー)が金銭を受け取り、口銭を差し引いた金額を(多くは国外の)受取人に送金するよう依頼する。Hawaladarはファックス若しくは電話で予め伝えられている暗号を受取人と照合し取引が成立する。金銭は受取人の国の通貨に両替され支払われる。その際に取引を行う2社間に取引に直接関与していないhawaladarは、双方の取引記録を取る事で、次の取引の際に口銭として受け取る。パキスタンのShaukut(シャウンクット)大蔵大臣が ニューヨークタイムズに発表した所によれば、年間20から50億ドルの不正取引がパキスタン内だけでも行われている。

 匿名希望の情報提供者によれば米国内にも少なくとも7つのhawalasがワシントンDC−ボルチモア近辺に存在するといわれている。(ワシントンポストより)

情報ソース:
Washington Post Nov. 07, 2001
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A51108-2001Nov6.html
The New York Times, Oct. 03, 2001
Fortune, Oct. 29, 2001
MSNBC.com Nov. 07, 2001
http://www.msnbc.com/news/633205.asp
The San Francisco Chronicle, Nov. 08, 2001
Scripps Howard New Service, Nov. 07, 2001
The Orlando Sentinel, Nov. 08, 2001
Newsday, Nov. 08, 2001

分析:
 情報セキュリティーの観点から、Al-Taqua、Al-Barakaatがアル・カィーダにインターネットおよび安全な通信サービスを提供していた事は興味深い。未だ、調査は続行中であるが、hawalas機構を更に分析する事で世界各国に点在するアル・カィーダ及び支援組織の通信手段を特定していく事ができる。


(詳しくはScan本誌をご覧下さい)
http://www.vagabond.co.jp/vv/m-sc.htm

※この情報はiDEFENSE社( http://www.idefense.co.jp/ )より提供いただいております。情報の内容は以下の時点におけるものです
【12:14 GMT、11、9、2001】


《ScanNetSecurity》

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