【脆弱といわれる無線LANを改めて検証する】〜 1. ブームの陰に隠れる脆弱性の本質 〜
●無線LANブームのきっかけは設置の手軽さ
特集
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今、無線LANがブレイクしている。PC関連雑誌で、無線LANに関するQ&Aなどの特集記事をよく見かけるようになって久しい。また、量販店のLANコーナーを覗けば、無線LAN関連製品が必ずその一角を占めているという具合である。 このように注目を浴びている無線LANだが、セキュリティという側面からその脆弱性を指摘され続けているデバイスであることを忘れてはならない。急速にユーザを増やしている機器であるからこそ、セキュリティ面での脆弱さは大きな問題である。
そもそも無線LANがPCユーザの耳目を集めている最大の要因は、その取り扱い易さにある。TCP/IPを手軽に扱えるWindows95の登場以来、関連機器の急速な価格下落も手伝ってLANの普及率はかなりのものになっている。個人で複数のPCを所有しているユーザが家庭内LANを構築している例も珍しくない。
このようにビジネス・パーソナルの区別なく普及が著しいLANであるが、従来型の有線LANの場合、その設置は思っているほど手軽ではない。有線LANで使われる一般的なLANケーブル(ツイストペアケーブル)はそこそこの太さを持っており、お世辞にも取り扱いやすいとはいえない。強く踏んだりすると簡単に断線するなど、見た目以上にデリケートな代物だ。このようなLANケーブルを取り回してLAN環境を構築するには、それなりの知識とコツが必要になる。
一方、無線LANの場合を見てみると、「無線」であるわけだからケーブルの取り回しに苦労することがない。無線LANのAP(アクセスポイント)機能を内蔵したルータとクライアントマシンに装着する無線LANカードのような機器を購入しさえすれば、ベーシックなLAN環境を構築できてしまう。すでに有線LANが稼動している環境でも、APとクライアント用機器を購入することでクライアントマシンを簡単に既存のLAN環境に追加することが可能だ。
さらに、最近のノートPCなどは、最初から無線LAN機能が搭載されていることが多い上、ソフトウェア面ではWindows XPが標準で無線LANに対応していることも、無線LANブームの原因として見逃せないだろう。
【執筆:磯野康孝】
※本原稿は、無線LANの安全性について警鐘をならすためのものであり、実在の組織、地名、人物といっさい関わりはありません。
(詳しくはScan本誌をご覧ください)
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