ダイレクトマーケティングの「常識」YES/NOクイズ<第11回>
■ 今回のテーマは「商標法」「意匠法」「実用新案法」「秘密保持契約」「保証」 設問1〜5 解答および正解集計結果
特集
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今回のクイズでは前半で意匠法、商標法、実用新案法を取り上げ、後半は秘密保持契約やそれに関連する不正競争防止法及び保証に関する問題を出題した。
クイズの正解率はほぼ8割とかなり高い正解率であった。また、回答者の5人に1人が全問正解しており、多くの皆様に理解いただけた結果と考えている。
正解率が高かった理由として、取り上げたテーマが意匠法や商標法のほか秘密保持契約など今マスコミなどでよく取り上げられている知的財産権等であり、皆様の関心が高かったためかもしれない。いずれにしろ、執筆者として少しでもお役に立てればうれしいかぎりである。
なお、正解率が一番高かった設問は設問5の登録商標、特許発明などの権利に関する問題で95.4%、逆に一番低かった設問は設問8の営業秘密の侵害行為に関する刑事罰の導入に関する問題で59.7%であった。
残念ながら不正解であった設問については、解説をよく読んでこの機会に正しく理解してもらいたい。
では、早速前半5問の正解と解説に移りたい。
【設問1】
『商品やサービスを識別する名称を「意匠」という。』
YES or NO?
■ 正 解:NO
■ 正解率:63.2%
正解は「意匠」ではなく「商標」である。意匠は「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合で視覚を通じて美感を起こさせるもの」と意匠法により定義されており、一般にはモノの形状をいうものである。では、「形状」はすべて意匠かというとそうでもなく、「商標」になる場合もある。
商標は通常、名称を意味していると理解しておいて差し支えないが、文字等により名称を表してない「形状」も「立体商標」として商標になることもあるのでご留意いただきたい。
立体商標の代表的なものとしては、本文でも書いたがフライドチキンのお店の人形や、洋菓子のお店の特徴的な人形といわれれば、すぐに想像がつくだろう。これらの「形状」は意匠であると同時に商標にもなり得るといえるのである。
また、現行の商標法では認められていないが、商標の考え方の基本は、自他商品等の識別力にあるので、文字又は形状等で表され視覚によるものの他、音(旋律)や嗅覚(匂い)等も本質的には商標となってもおかしくないかもしれない。実際、CMで流れるメロディを聞けば「あの商品(店)か」とすぐ直感できたりもするだろう。
【設問2】
『商標、意匠、発明等の登録に関しては特許庁に対して行う。』
YES or NO?
■ 正 解:YES
■ 正解率:81.6%
YESが正解である。産業財産権(従前は工業所有権と言われていた。まだこちらの方が耳に馴染み深い方が多いかもしれない。)は、特許庁において審査・登録を行う。
商標は「登録商標」に、意匠は「登録意匠」に、考案は「登録実用新案」に、発明は「特許発明」となり、独占排他的な権利が付与されることになる。
つまり、登録しなければ権利が生じないので、権利保護を図るべき案件であれば、すぐに登録を考えなければいけないのである。
ちなみに著作権に関しては、「著作権登録」、「実名登録」、「創作年月日登録」等という手続があり、これらは「文化庁に対して行うことになる。なお、著作権に関するこれらの登録は、記述した4つの産業財産権の登録とは性質を異にするものであるのだが、ここではスペースの点もあり触れることができないので、その詳細については機会があれば触れることにする。
注)本クイズの正解は、2004年9月1日時点のものです。今後、法律改正等も考えられます。ご了承ください。
この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_netsec
《ScanNetSecurity》