コンピュータの処分に注意 個人情報盗難の可能性(1)
どんどん性能がよくなり、進化するPCは、旧式になると価格も下がっていく。一般的にPCの寿命は3年とも言われる。しかし、新しくするのは良いが、以前使っていたものの処理が問題だ。多くは不用品として処理されるが、中に入っていた情報類は大丈夫だろうか。
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基本は業者に廃棄処理を任せるにしても、ハードドライブを初期化することが必要だと言われているが、消したはずのデータが残っている可能性がある。また、特に企業の場合は顧客情報の問題もある。社員のミスで情報が残っていたら?実際、これまでにも中古コンピュータに古いデータが残っていて問題になった事件は何度かある。
●顧客情報の入った金融機関のコンピュータがeBayに
2003年9月、カナダのバンク・オブ・モントリオールグループ(Bank of Montreal)がリサイクリングプログラムで処分。一般市民が購入したコンピュータサーバに、顧客および従業員情報が残っていたとして大騒ぎになった。
これはトロント在住のジョフ・エリス(当時26歳)さんが、エコシス・カナダ(Ecosys Canada Inc)というコンピュータ資産管理を行う企業から2台のサーバを購入したところ、極秘情報が残っていたことを発見したというものだ。エリスさんはIBMのNetfinityサーバ2台をそれぞれ400カナダドルで購入していた。Netfinityは当時の市場で、新しい機械なら、1台5000カナダドルするもので、大学院生であったエリスさんは、中古コンピュータを購入、修理した上で、eBayで販売していた。問題のコンピュータもeBayに出品したが、その後、機械を起動してみたところ、パスワードの入力なしにファイルフォルダにアクセスできることに気付き、慌ててサイトから外した。
「とにかくショックだった」地元紙『トロントスター』に連絡をしてきたエリスさんは、記者に対して語っている。「OSがそのままの状態、つまりハードにデータが残ったままの状態で、サーバが処分されるなど信じられない」
さらに、「銀行だけに連絡すると、事件が闇に葬られる可能性もあったと思ったので、『トロントスター』にまずコンタクトをとった」という。企業が同じ過ちを犯さないよう、あえて事件が広く報道されることを目指したと話す。その上で、9月12日午後、銀行に連絡。13日にはバンク・オブ・モントリオールのコンピュータセキュリティチームがエリスさんの自宅に向かい、ハードを受け取った。
その後、エリスさんが購入した以外にもバンク・オブ・モントリオールでは2台のIBMサーバをエコシスから引き取り、データ・リカバリーチームが、ハードドライブを分析した。
【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】
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全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd
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