パソコンが同時多発的に死にゆく"怪" 〜原因は数年前の粗悪な台湾製電解コンデンサ〜
●伝染病のようにクライアントPCがバタバタと死んでいく不可解な現象
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これは実際に筆者のオフィスで起きた謎だった。今年に入り、ある1台のクライアントPCがいきなりフリーズした。最初は気にも留めなかったが、何度かフリーズを繰り返すので、ウイルスチェックをはじめ、不要ソフトやファイル削除をしたり、デフラグをかけたりと、一般的にやるべき対策はほぼ全部やってみた。それでもフリーズは益々頻繁に起こるようになった。
実はそのPCのみならず、同様の現象が他のPCでも発生するなったことを、ある時気づいた。まるでタチの悪い伝染病が蔓延しているかのようだ。しかし、ウイルスは依然として見つからないし、ハードディスクの不良でもなさそうだ。
●筐体を開けて初めて気づいた、電解コンデンサの膨張・液漏れ
為す術を失い、ついにOSの再インストールを決意した。しかし、再インストール中にもフリーズは発生し、作業は一向に進まない。この時点になって、やっと「もしや、ハードディスク以外に何らかのハード的故障があるのでは」と考え、筐体を開けてみた。そこで、マザーボードに付いている複数の電解コンデンサから液漏れがあることを発見したのだ。
電解コンデンサは種類によっていくつかの形状があるが、今回調査すべき電解コンデンサは、高さ1〜2cmの円筒形をしたものだ。もともと電解コンデンサは、電子部品の中では寿命が短いものの一つで、温度が高くなるにつれ、さらに寿命も短くなるという特性がある。しかし、問題なのは、設計時(仕様として)の耐久時間よりも、かなり早く寿命を迎えてしまった点だ。
不良となった電解コンデンサは、目視でも十分に確認できる。次のような症状であれば、それは確実である。
・上(頭)部分から茶色の液が漏れている
・コンデンサ下部のマザーボードに液が付着している
・頭部分が膨らんでいる、もしくは全体が同じ型のものに比べ、少し大き
くなっている ・・・ すでにコンデンサ内では液漏れしている
マザーボードには、いくつかの異なるメーカーの電解コンデンサが取り付けられているが、筆者のPCでは、膨張・液漏れしているのは、ある一種類のみで、そのほぼ全数に異常が見られた。
他の不調PCも調べたところ、全く同様の現象が起こっていた。
【執筆:株式会社アイドゥ 井上きよみ http://www.eyedo.jp】
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(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec
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