ブログにまつわる法律相談室■第4回■
●個人投資家の影響力が拡大
特集
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金融市場、特に株式市場において個人投資家の影響力が拡大している。彼らがインターネット上で話題になった銘柄に群がり、株価が上昇することは日常茶飯事である。
背景には、インターネットを介して株などの金融商品を売買するネットトレーディングの一般化・大衆化が挙げられる。デイトレーダーと呼ばれる、1日の間に何度も売買を繰り返す投資家の存在も、もはや珍しくなくなった。
●ネットは風説の流布に最適な(?)環境
デイトレーダーには取引結果や銘柄分析を投稿しているブログユーザーも少なくない。「株 ブログ」などで検索すれば大量にヒットするはずだ。彼らのブログを参考に取引している人もいるだろう。
ところで、ネット上の情報で度々問題となるのが風説の流布である。風説の流布とは、根拠のない噂を世間にまき散らすことで、投資・金融の世界では「株などの相場を操作する目的で虚偽の情報・噂(風説)を流すこと」となる。
証券取引法の第158条では、
何人も、有価証券の募集、売出し若しくは売買その他の取引若しくは有価証券指数等先物取引等、有価証券オプション取引等若しくは外国市場証券先物取引等のため、又は有価証券等の相場の変動を図る目的をもつて、風説を流布し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をしてはならない。
とし、風説の流布を禁止している。違反した場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金(または併科)が科せられる。(証券取引法197条)
例えば、買っておいたA社の株を高値で売りさばこうと目論み、
・A社がB社に高値で買収される
・A社がエイズやガンなどの治療薬を開発した
・A社が○○の製造コストを従来の20分の1にする技術を開発した
などと事実無根の情報を流せば、証券取引法違反となる。
【執筆:株式会社アイドゥ 三原崇人・井上きよみ http://www.eyedo.jp】
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全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
https://www.netsecurity.ne.jp/14_3697.html
《ScanNetSecurity》