金融機関などが警戒を呼びかけるファーミング詐欺の恐怖(2)企業側、ユーザー側ともに対策が必要
●英国では大手バークレー銀行が被害に
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米国のシステムだけではなく、英国でもDNSへの攻撃は報告されている。特にオンラインバンキングのサイトが狙われていて、英国のバークレー銀行やロイズ銀行なども被害にあっているらしい。
バークレー銀行の場合はbarclays.co.ukと正しいウェブアドレスを入力しても、余分な文字が付くような設定で、偽のウェブサイトに送られるものであった。これはDNSワイルドカードと呼ばれる方法を悪用するものだ。ワイルドカードはユーザーが誤ってDNSをミスタイプしても、レジストリを変えて正しいアドレスに変換する。
少々、わかりにくいワイルドカードだが、テキサス州のアミゴス・ライブラリーサービスによるファーミングの説明で、方法が紹介されている。たとえば、www.amigos.org.と誤って最後にピリオドをタイプしてもDNSシステムはwww.amigos.orgを探してくる。しかし、仮にscam.amigos.org?とタイプしても通常はwww.amigos.orgにはつながらない。但し、何者かが「*.amigos.org.」といったワイルドカードを設定すると他のURLに送られる。バークレー銀行はワイルドカードを設定され、barclays.co.ukの後に文字や数字が並んだURLに送られていた。
さらに、Lycosが5月9日付けで、英国の金融機関のウェブサイトがファーミングウイルスからの攻撃を受けていると報告している。これはTroj/BankAsh-Aウイルスによるもので、4月の1ヵ月間に330万件ものウイルスの攻撃を防いだという。3月は39789件だったというから、100倍近くの増加だ。
このウイルスはe-mailなどでユーザーのコンピュータにインストールされてしまい、ユーザーがインターネットバンキングのために銀行のホームページにアクセスしようとすると偽のサイトへ送られるというものだった。Lycosは無料のe-mailアドレス提供やウェブホスティングをはじめ、ショッピングサイトの運営など、主にヨーロッパで総合的なインターネット関連事業を行うポータル企業だ。
【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】
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《ScanNetSecurity》