サイバー犯罪増加で苦しむ金融機関(1)スパイウェアに脅かされる個人情報 | ScanNetSecurity
2024.05.05(日)

サイバー犯罪増加で苦しむ金融機関(1)スパイウェアに脅かされる個人情報

米国で去る10月、サイバー犯罪増加を受けて、連邦預金保険会社、連邦準備銀行といった監督機関の統括組織である連邦金融機関検査委員会(Federal Financial Institutions Examination Council: FFIEC)が、「(ひとつではなく)複数にわたる本人認証」を使用することについ

特集 特集
米国で去る10月、サイバー犯罪増加を受けて、連邦預金保険会社、連邦準備銀行といった監督機関の統括組織である連邦金融機関検査委員会(Federal Financial Institutions Examination Council: FFIEC)が、「(ひとつではなく)複数にわたる本人認証」を使用することについて金融機関に勧告を行った。

現在、米国の金融機関の殆どはユーザー名とパスワードのみしか、インターネット・バンキングにおける本人認証に使用していない。そのため、サイバー犯罪者はこれらの情報を獲得するために、様々な試みを行っている。特にここ1〜2年の間、スパイウェアをはじめとするクライムウェアによる個人情報盗難の被害が急増している。その結果、市民の中にはインターネット・ショッピングやeバンキングを控えるようになったという人も多い。銀行口座の資金を狙ったサイバー犯罪の例を数件みてみよう。

●キーロガーによる大規模個人情報盗難

8月4日、Sunbeltソフトウェアのアレックス・エッケルベリー社長がブログで、同社研究員がキーロガーソフトを使って数千台のコンピュータから不正に個人情報を集めていた犯罪者のグループを発見、FBIが調査していると告発した。

これは、同社に以前、勤務していた研究員、パトリック・ジョーダンがスパイウェア、CoolWebSearchの感染について調査していて、大規模な個人情報盗難事件を発見したものだ。感染したPCを調べているうちに、ジョーダンは

1)テストを行っていたPCがスパムを送付するゾンビPC化したこと
2)リモートサーバへのコールバックを行っていること

に気付いた。

さらに、コールバックされたリモートサーバを調べ、アップロードされていたキーロガーのスクリプトファイルを見つけている。エッケルベリー社長が、「まさしくスパイウェア」とコメントしたとおり、チャットのセッションから、クレジットカード、社会保険番号、ユーザー名、パスワード、極めて個人的なインスタント・メッセージの内容、そして検索条件で何を使ったかなど、ありとあらゆる情報が傍受されていた。

【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】

──
この記事には続きがあります。
全文はScan Security Management本誌をご覧ください。
https://www.netsecurity.ne.jp/14_3697.html

《ScanNetSecurity》

PageTop

アクセスランキング

  1. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  2. クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

    クラウド労務管理「WelcomeHR」の個人データ閲覧可能な状態に、契約終了後も個人情報保存

  3. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

  4. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  5. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  6. 「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

    「シャドーアクセスとは?」CSAJ が定義と課題をまとめた日本語翻訳資料公開

  7. モリサワ他と損害賠償金4,500万円支払で調停成立~フォント不正コピーの印刷会社

    モリサワ他と損害賠償金4,500万円支払で調停成立~フォント不正コピーの印刷会社

  8. サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

    サイバーセキュリティ版「天国と地獄」~ サプライヤーへサイバー攻撃、身代金支払いを本体へ請求

  9. 「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」Palo Alto、Cisco、SonicWall、OpenVPN に対応

    「GMOサイバー攻撃 ネットde診断」Palo Alto、Cisco、SonicWall、OpenVPN に対応

  10. ビッグ・ブラザー2024 ~ 監視カメラと画像分析 その高成長市場と国際動向

    ビッグ・ブラザー2024 ~ 監視カメラと画像分析 その高成長市場と国際動向

ランキングをもっと見る