セキュリティが心配されるインドBPO(2)高まるアウトソーシングへの懸念
近年、急成長しているインド経済。その中心となっているのは、BPO(Business Process Outsourcing)と呼ばれる、企業における業務プロセスの一部のアウトソーシングをはじめ、ITサービスだ。今回は、インドBPO業者からの情報漏洩事件、そしてその影響などを見てみたい。
特集
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●Nasscomを悩ます情報漏洩事件と人材不足
昨年のMhasiSの事件以後、従業員の経歴チェックの重要性が叫ばれてきた。インドのNasscomのキラン・カーニック会長は、「BPO企業では経歴を偽って採用された従業員は、事実が判明して解雇されている」として、厳しい対応を行っていることを明らかにしている。
MhasiSはインドのアウトソーシング企業で、コールセンター業務を行っていたが、その元従業員3人が委託元であった米国Citibankの、複数の顧客の銀行口座から約40万ドルを盗難していた。コールセンターのスタッフという立場を利用して、顧客からパスワードを聞きだして、共犯者の口座あてに資金を不正に送金した。
その他にも、英国のタブロイド紙『The Sun』が、インドのBPO企業の従業員が、発注元顧客の個人情報を販売していると報じるなど、2005年はインドのBPO産業にとっては風当たりのきつい年となった。
しかし、一方ではそのカーニック会長が、今年1月、『Computerworld』に対して語ったとおり、「インドのハイテク人材市場で、今なお需要が供給を大きく上回る」というのが現状だ。つまり売り手市場だ…
【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】
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