無条件に安全な量子暗号鍵配信の高速化実験に成功し、世界最高速度を達成(東芝欧州研究所)
東芝欧州研究所は10月9日、無条件に安全な量子暗号鍵配信の高速化実験に成功し、鍵配信距離20km、100kmにおいて、それぞれ1.02Mbps、10.1kbpsの世界最高速度を達成したと発表した。
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量子暗号鍵配信は、量子力学の原理に基づき通信の両端で無条件に安全な暗号鍵の配信を実現できる最新技術。同研究所では、独自の安定制御機構を実装した「単一方向型」の量子暗号鍵配信システムとデコイ手法を組み合わせることにより、これまでに10kbps(鍵配信距離20km)と世界最高レベルの鍵配信速度を達成していたが、今回は通常の光通信で使用されるAPDを単一光子検知器として利用し、その駆動周波数を従来比で100倍以上高めることにより、鍵配信の大幅な高速化に成功した。
今回の成果は、これからの量子暗号ネットワークにおいて、複数のユーザー間で実用的な鍵配信速度を実現するための重要な技術となる。今後は、量子暗号ネットワーク実用化に向けて、今回発表した技術をベースに可搬型高速量子暗号鍵配信システムを開発し、ETSI(欧州電気通信標準化機構)での標準化作業に貢献していく。
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2008_10/pr_j0901.htm
《ScanNetSecurity》