世界のセキュリティ脅威年間レポート2008年版を公表(キヤノンITソリューションズ)
キヤノンITソリューションズ株式会社は4月9日、2008年の脅威動向をまとめた「世界のセキュリティ脅威年間レポート」を発表した。本レポートはスロバキアのセキュリティチームがまとめたもので、2008年における脅威の動向を振り返るとともに、2009年に向けての予測を示
製品・サービス・業界動向
業界動向
レポートによると、2008年の傾向として、偽アンチマルウェア製品の増加と高度化、Windows Autorun機能を悪用したマルウェアの蔓延、ソーシャルエンジニアリングやキーロガー、バックドアなどを組み合わせてオンラインゲームのパスワードを盗み出すマルウェアの急増などを挙げている。また、PDFなど通常は安全であると考えられる文書ファイル形式の脆弱性を悪用するケースが増加していること、アドウェアなどユーザーにとって好ましくない動作をする可能性のあるアプリケーションが、脅威全体の相当部分を占めたことも指摘している。
一方、2009年の予測としては、偽アンチマルウェアビジネスのさらなる拡大、詐欺的な広告やブラウザを狙った攻撃の増加、MacOS、LinuxなどWindows以外のOSへの脅威や、モバイル用ブラウザへの攻撃を含めたモバイルデバイス全体に対する脅威の増加などを挙げている。加えて、マルウェア作者が検出を逃れるためにデータ隠蔽技術を利用したり、悪意あるコードを隠くすため、さまざまなファイル形式(PDF、JavaScript、メディアファイルなど)を用いるだろうと予想している。
また、レポート公開と同日、2009年3月の月間マルウェアランキングも発表した。第1位は「Win32/Conficker」(全体の約8.90%)、第2位は「Win32/PSW.OnLineGames」(約8.54%)、第3位は「INF/Autorun」(約7.19%)がランクイン。トップの「Win32/Conficker」はWindowsの脆弱性を悪用して感染を広げるタイプで、感染すると攻撃者によってリモートからPCを悪用される可能性がある。セキュリティが不十分な共有フォルダやリムーバブルメディア(Autorun機能を使用)経由で感染を広げる亜種も存在しており、最近、感染が急増している。第2位の「Win32/PSW.OnLineGames」は、オンラインゲームとそのユーザーIDに関する情報を収集するトロイの木馬。第3位の「INF/Autorun」はWindowsのAutorun機能を悪用したプログラムの総称。どちらも上位常連組みで、先月は1位と2位だった。
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《ScanNetSecurity》