2008年6月、そして再び同年10月に、NASAが運用する地球観測衛星Terra AM-1がハッカーによる妨害を受けたと同未公開レポートにあることを、Bloomberg Businessweekが報じている。レポートの草案には、この妨害について詳しく述べられてはいないが、攻撃は最初のケースでは2分間、2度目のケースでは9分間続いたと記されている。
また、ハッカーは実際には行使しなかったものの「衛星を制御するのに必要な全手段を獲得した」とも言う。
同レポートによれば、NASAおよびアメリカ地質調査所が共同管理する地球観測衛星Landsat-7は、2007年10月と2008年7月の2回、12分以上ハイジャックされた。
どちらの衛星も、商業的に操業されている、ノルウェーのスピッツベルゲンにあるスヴァールバル・サテライト・ステーションを使用しており、レポートによれば同基地は「通常、データアクセスとファイル転送を、インターネットに頼っている」とある。そこから、攻撃者たちは衛星のコントロールを取得するため、インターネット接続をハッキングしたのではないかという推測が導き出されている。
「このような妨害は、多くの潜在的脅威を引き起こしかねない。特に、より機密性の高い機能を有する衛星に対して行われた場合は」とレポート草稿は警告する。「衛星のコントロールを握れば、攻撃者は衛星に損傷を与えたり、破壊することが可能になる。ハッカーが衛星による送信信号を拒否、あるいは劣化させ、偽造や操作を行う可能性もある。」
米中経済安全保障検討委員会のアニュアル・レポートは、このような侵害が中国軍の活動と一致していることにまで踏み込んでいる。草案では、直接的な証拠が無い事は認めているが、最近起きた他のハッキング事例を詳述し、中国が「悪意あるさまざまなサイバー活動を実施し、支援している」ことが示唆されていると…
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(翻訳:中野恵美子)
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