Jonathan Millicanは、優秀な人々にサイバー・セキュリティ業界でのキャリアを検討してもらうことを目的とした半年間のチャレンジを経て、この週末開催された決勝で勝ち残った。
Hack Idolの最終対決(Masterclass)は土曜日、ブリストルでHP Labs主催により実施され、5名のチーム6組が一連のチャレンジを互いに競い合った。
ロールプレイイングで、スタートアップ企業にサイバー・セキュリティについてアドバイスをする、50分間の模擬サイバー攻撃をかわすといった課題が実施された。模擬攻撃にはポート・スキャン、それに続く脆弱なWebサーバへの攻撃、改ざん、メール・スパム、DDoSおよびデータ抽出の試みなどが含まれる。各チームはIDS、ファイアウォール、ルーター・コンフィギュレーションを変更することで、リアルタイムにこれらの攻撃を停止させるよう要求された。
Millicanのチームは2位で終了したが、彼は30名の参加者の中で最も優秀な人材として審判の目をひき、誰もが望む総合優勝を果たした。ケンブリッジ大学の1年生で、ノースヨークシャー出身のMillicanには、賞金としてロンドン大学ロイヤル・ホロウェイの修士課程への助成金が提供される。
この大学生は学位取得に向けて勉強を始めたばかりで、まだコンピューター・セキュリティの科目は一つも取っていない。彼はまだ何をしたいか決めていないが、「今回のチャレンジの経験から、かなり真剣にコンピューター・セキュリティへの参加を考えることになりそうだ」とThe Registerに語った。
実際的な経験といえば、自宅のネットワークをセットアップしたり、遊んだりするといった程度のMillicanだが、企業セキュリティの管理に関する商業的、実際的側面を模した現実的なチャレンジに取り組むことで、天賦の才を示した。
英国空軍の技術者Russ Taylorが次点だった。
スポンサー(HP、経営コンサルタントPricewaterhouseCoopers、BTおよび防衛企業のCassidianとQinetiQ)の代理人が大会の審判を行った。
今年でCyber Security Challengeの開催は2年目となる。昨年のイベントでは、リーズの郵便配達人Dan Summersが優勝し、ロイヤル・メールのサイバー・セキュリティ・チームで仕事を続けている。
主催者は来年も大会を開催する予定だが、多少形式を変更し、業界のプロフェッショナルに、新進気鋭と知恵比べする初の機会を提供する。専門家は賞の対象とはならず、参加費も請求されるが、これはCyber Security Challengeで現在進められている取り組みへの資金として使用される。18歳から25歳のグループを対象にした、より若い志願者のための4日間のサイバー・キャンプを、30カ所で開催する計画もある。主催はランカスター大学の予定だが、この件に関する確認はとれていない。
Cyber Security Challengeの責任者Judy Bakerは、今年の出願の60パーセントが、25歳以上のグループだったと述べている。彼女によれば、同団体は既に仕事をしている人々に、転職を考えるよう促すとともに、より若い人々にサイバー・セキュリティの分野でのキャリアを考慮するよう後押ししたいと考えている。
「私たちはより多くのサイバー・セキュリティ専門家を訓練し、リクルートしたいと考えています。職場で実際に必要とされているからです。」と彼女は語り、関心を高めるには良いスタートを切ったものの、大会だけでは不十分だと付け加えた。Cyber Security Challengeはより良いコースを展開するため、教育機関と協力しているという。
※本記事はWebサイトにも全文を掲載しました
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(翻訳:中野恵美子)
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