マスターキーとなるAndroidの脆弱性を悪用するバンキングアプリを確認(トレンドマイクロ)
トレンドマイクロは、「マスターキー」となるAndroid端末上に存在する脆弱性を悪用する、韓国の銀行「NH Bank」のオンラインバンキングアプリのユーザを標的とした脅威を確認したと同社ブログで発表した。
脆弱性と脅威
脅威動向
「NH Nonghyup Bank」は、韓国でもっとも大きい金融機関のひとつ。この銀行のオンラインバンキングアプリは、モバイル端末の所有者の中で広く使用されており、これまでに500万から1,000万回インストールされている。サイバー犯罪者はこのアプリの人気を悪用し、正規アプリストアである「Google Play」以外のアプリ配布サイトでこのアプリの更新を提供していた。この更新はもちろん不正で、マスターキーとなるAndroid端末上の脆弱性を利用し、不正なファイルをアプリ内に追加する。これにより、正規アプリをトロイの木馬化したアプリにさせる。
サイバー犯罪者は、ユーザがまだオンラインバンキングアプリを端末にインストールしていない場合にも対応し、すでにトロイの木馬化された正規アプリも提供した。ユーザが問題のアプリを起動すると、アカウント情報の入力を要求する偽のページが表示される。ユーザが誤ってアカウント情報を入力してしまうと、その情報はサイバー犯罪者によって管理される不正なリモートサーバへと送られる。今回の事例では、マスターキーとなる脆弱性の利用がユーザにとっていかに危険であるかに注目すべきとしている。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》
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