Microsoft Internet Explorer の CTreeNode オブジェクトの取り扱いに起因する解放済みメモリ使用の脆弱性(Scan Tech Report)
Microsoft Internet Explorer (IE) に解放済みメモリを使用してしてしまう脆弱性が報告されました。
脆弱性と脅威
エクスプロイト
Microsoft Internet Explorer (IE) に解放済みメモリを使用してしてしまう脆弱性が報告されました。
ユーザが悪質な Web ページを閲覧した場合に、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は、先月の 2014 年 2 月の Microsoft より提供された月例パッチ(MS14-010) で解消した問題の内の 1 つになります。
脆弱性を悪用された場合の影響度が高く、今後、当該脆弱性を悪用する攻撃ツールキットなどが出現する可能性も考えられるため、パッチ未適用の IE を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。
2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-0281&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29
3.影響を受けるソフトウェア
Microsoft Internet Explorer 8
Microsoft Internet Explorer 9
Microsoft Internet Explorer 10
Microsoft Internet Explorer 11
4.解説
Microsoft Internet Explorer (IE) の Microsoft HTML Viewer (mshtml.dll)は、HTML, Cascading Style Sheets (CSS), Document Object Model (DOM) などをパースおよびレンダリングする機能を提供するライブラリです。
IE の mshtml.dll には、CTreeNode オブジェクトを処理する際に参照情報を適切に削除せず解放してしまう不備があります。
このため、JavaScript を介して当該オブジェクトを操作する不正な Web ページをレンダリングした場合、解放済みの CTreeNode オブジェクトが存在したメモリ領域を参照してしまう脆弱性が存在します。
この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、IE を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。
5.対策
以下の Web サイトを参考に、それぞれの Windows OS の IE バージョンに対応するパッチ (MS14-010) を入手し適用することで、この脆弱性を解消することが可能です。
※Windows Update/Microsoft Update を行うことでも同様に脆弱性を解消することが可能です。
MS14-010:
http://technet.microsoft.com/security/bulletin/MS14-010
あるいは、下記のいずれかの回避策を実施することで、この脆弱性による影響を緩和することが可能です。
・IE のインターネットおよびローカルイントラネットゾーンにおける ActiveX コントロールまたはアクティブスクリプトの実行を変更する
・Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET) を使用する ※
※Enhanced Mitigation Experience Toolkit:
http://technet.microsoft.com/ja-jp/security/jj653751.aspx
6.ソースコード
(Web非公開)
(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所)
※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。
Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
《株式会社ラック デジタルペンテスト部》
関連記事
-
Microsoft Internet Explorer の CMarkup オブジェクトの取り扱いに起因する 0-Day エクスプロイト(Scan Tech Report)
脆弱性と脅威 -
Microsoft Windows の Win32k.sys ドライバの実装に起因する整数オーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)
脆弱性と脅威 -
Linux Kernel の compat_sys_recvmmsg() 関数の実装に起因する権限昇格の脆弱性(Scan Tech Report)
脆弱性と脅威 -
Adobe ColdFusion の Administrator API の実装に起因する認証回避の脆弱性(Scan Tech Report)
脆弱性と脅威
関連リンク
特集
アクセスランキング
-
仕事旅⾏社のサーバに不正アクセス「日本警察が要求に従わない場合データ公開」
-
IPA 基準適合サービスリスト 脆弱性診断サービス 7 社追加
-
JR西日本グループの山陽SC開発のメールアカウントに不正アクセス、迷惑メール送信踏み台に
-
NHK放送センターに不正アクセス、従業者等個人情報漏えいの可能性を完全に否定することは難しい
-
NICTの業務委託先 TBSグロウディアでノートPC紛失
-
メガネスーパー運営企業の個人情報、法律上無効の可能性がある契約に基づき譲渡された店舗の POS 端末で検索した形跡
-
NECと高専機構 “セキュ女子” が交流、CTF体験など実施
-
今日もどこかで情報漏えい 第16回「2023年8月の情報漏えい」クレディセゾン 誰一人取り残さない対応
-
安全神話は本当か トレンドマイクロ「Linux 脅威レポート」
-
SB C&S運営の事業者向けECサイト「Mobile Solution Market」に不正アクセス