Adobe Acrobat/Reader の Javascript API の実装に起因する情報漏えいの脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2026.02.02(月)

Adobe Acrobat/Reader の Javascript API の実装に起因する情報漏えいの脆弱性(Scan Tech Report)

Adobe Acrobat/Reader には、Javascript API のセキュリティ制限の実装に起因して、情報漏えいが発生する脆弱性が存在します。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
Adobe Acrobat/Reader には、Javascript API のセキュリティ制限の実装に起因して、情報漏えいが発生する脆弱性が存在します。
ユーザが悪質な PDF ファイルを閲覧した場合に、リモートの第三者によってシステム上の重要な情報を不正に取得される可能性があります。
脆弱性を悪用された場合の影響度が高いため、影響を受けるバージョンの Adobe Acrobat/Reader を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
4.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2014-0521&vector=%28AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:N/A:N%29


3.影響を受けるソフトウェア
Adobe Reader X (10.1.9) 以前
Adobe Reader XI (11.0.06) 以前
Adobe Acrobat X (10.1.9) 以前
Adobe Acrobat XI (11.0.06) 以前


4.解説
Adobe Acrobat/Reader では、複数の JavaScript 拡張機能 (API) をサポートしています。これら JavaScript API は、セキュリティの関係上、特権の有無によって、実行可能なメソッドが制御されていますが、信頼済み関数 (trustedFunction)※1 を利用することで、その制限が解除され、セキュリティ上制限のあるメソッドが実行可能となります。

Adobe Acrobat/Reader には、JavaScript インタプリタにおいて、setter メソッドから app.trustedFunction メソッドを呼び出す際のセキュリティ制限の実装に不備があります。
このため、Acrobat/Reader の Javascript API として公式にサポートされていない DynamicAnnotStore メソッド※2 を利用して setter メソッドを呼び出すことで、本来実行することができない readFileIntoStream※3 などの特権付きのメソッドを呼び出すことが可能な脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、Adobe Acrobat/Readerを実行するユーザの権限でシステム上の任意のファイル情報を窃取することが可能となります。

※1 http://help.adobe.com/livedocs/acrobat_sdk/9.1/Acrobat9_1_HTMLHelp/wwhelp/wwhimpl/js/html/wwhelp.htm?href=JS_API_AcroJS.88.167.html
※2 http://help.adobe.com/livedocs/acrobat_sdk/10/Acrobat10_HTMLHelp/wwhelp/wwhimpl/common/html/wwhelp.htm?context=Acrobat10_SDK_HTMLHelp&file=JS_API_AcroJS.88.1248.html
※3 http://www.dsto.defence.gov.au/sites/default/files/publications/documents/DSTO-TR-2730.pdf


5.対策
以下の Web サイトを参考に、下記のバージョンの Adobe Acrobat/Reader にアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。
あるいは、Adobe Acrobat/Reader の JavaScript 機能を無効にすることで、この脆弱性による影響を回避することが可能です。

- Adobe Reader X (10.1.10) 以降
- Adobe Reader XI (11.0.07) 以降
- Adobe Acrobat X (10.1.10) 以降
- Adobe Acrobat XI (11.0.07) 以降

APSB14-15
https://helpx.adobe.com/jp/security/products/reader/apsb14-15.html


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー・グリッド研究所

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《株式会社ラック デジタルペンテスト部》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. “我々はもはやサイバーセキュリティの仕事をしているのではない”

    “我々はもはやサイバーセキュリティの仕事をしているのではない”

  2. 通行中の市民がごみステーションで生活保護受給者の申請書を発見

    通行中の市民がごみステーションで生活保護受給者の申請書を発見

  3. 翌週業界を去るサイバーセキュリティ研究者が 34 年のキャリアをふりかえり言ったこと

    翌週業界を去るサイバーセキュリティ研究者が 34 年のキャリアをふりかえり言ったこと

  4. エフエム東京へのサイバー攻撃指摘する SNS 投稿、データの一部が流出した事実はあるが機密性の高い情報は含まれず

    エフエム東京へのサイバー攻撃指摘する SNS 投稿、データの一部が流出した事実はあるが機密性の高い情報は含まれず

  5. 企業で検討したが正式導入しなかったアプリに不正アクセス、顧客の氏名と電話番号流出

    企業で検討したが正式導入しなかったアプリに不正アクセス、顧客の氏名と電話番号流出

ランキングをもっと見る
PageTop