ShellShock攻撃の98%が、サーバにボットを埋め込む目的(日本IBM) | ScanNetSecurity
2024.05.10(金)

ShellShock攻撃の98%が、サーバにボットを埋め込む目的(日本IBM)

日本IBMは、東京を含む世界10拠点のIBM SOCにて2014年下半期に観測したセキュリティイベント情報に基づき、主として国内の企業環境で観測された脅威動向をまとめた「2014年下半期Tokyo SOC情報分析レポート」を発表した。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
IBM SOCで対応しているセキュリティアラートの傾向
IBM SOCで対応しているセキュリティアラートの傾向 全 3 枚 拡大写真
日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は3月5日、東京を含む世界10拠点のIBMセキュリティ・オペレーション・センター(SOC)にて2014年下半期(7月~12月)に観測したセキュリティイベント情報に基づき、主として国内の企業環境で観測された脅威動向をまとめた「2014年下半期Tokyo SOC情報分析レポート」を発表した。レポートでは2014年下半期の脅威動向概況のほか、「公開サーバに対する攻撃の傾向」「クライアントPCを狙った攻撃」の2つをトピックに挙げている。

同半期は、GNU Bashの脆弱性を狙った「ShellShock攻撃」や、暗号化通信に使用されるSSLやTLSの脆弱性など、多くのシステムで広く使用されているアプリケーションの脆弱性が話題となった。また、不正なWebサイトやメールを悪用してクライアントPCにマルウェアを感染させる攻撃も継続して発生している。ShellShock攻撃の調査の結果、サーバに対してDDoS攻撃やスパム送信を行うボットを埋め込もうとする試みが確認された。Tokyo SOCの観測では、この攻撃が全体の98.6%を占めた。

クライアントPCを狙った攻撃では、2014年上半期には21.9%の組織でドライブ・バイ・ダウンロード攻撃の影響を確認したが、同半期には11.3%に減少した。現時点で減少の原因は明らかになっていないが、脆弱性を悪用しない攻撃手法への移行、改ざんされたWebサイトの減少、企業側の対策が進んだことなど、複数の要因が影響しているとみている。一方で、メール経由では脆弱性を悪用しない攻撃を多く確認しており、それらにはMicrosoft Officeのマクロを悪用したマルウェアや、実行形式のファイルをそのまま添付する手法が使われているという。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

    護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

  2. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  3. 「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

    「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

  4. 社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

    社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

  5. メディキットホームページに不正アクセス、閲覧障害に

    メディキットホームページに不正アクセス、閲覧障害に

  6. デジサートのEV証明書の記載フォーマットに誤り、再発行とサーバへの入れ替え呼びかけ

    デジサートのEV証明書の記載フォーマットに誤り、再発行とサーバへの入れ替え呼びかけ

  7. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  8. Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

    Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

  9. 日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

    日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

  10. 経団連、個人情報保護法に基づく漏えい報告や本人通知にリソースを割く現状を問題視

    経団連、個人情報保護法に基づく漏えい報告や本人通知にリソースを割く現状を問題視

ランキングをもっと見る