[Black Hat USA 2015] ソフトウェアの欠陥が、航空機や自動車の欠陥や事故と同一視される時代がくる
2015 年 8 月 5 日、ラスベガスで開催された Black Hat USA 2015 にて、同カンファレンス創立者のジェフ・モス氏が、基調講演を行う弁護士のジェニファー・グラニック氏の紹介をかねた開会挨拶を行った。
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Black Hat は、サイバーセキュリティの知見を共有する、世界で最も権威のある国際会議のひとつで、今年は 8 月 1 日から 6 日まで、米ラスベガスのマンダレイベイ コンベンションセンターで開催され、世界102国からセキュリティ研究者や、企業・政府関係者が集まった。
現地時間午前 9 時、モス氏は会場に集まったセキュリティエキスパートに向かって「いまここにいる来場者たちは、今後どんな出来事が起こり、どんなことが可能になっていくかを知る数少ない人間として、そして、今後普及と拡大が予想される IoT(Internet of Things:モノのインターネット)のゲートキーパーとして、存在感と重要度を今後いっそう増していくであろう」と激励のメッセージを述べた。
氏は、セキュリティの被害を補償するサイバーセキュリティ保険が、今後 5 年~ 10 年で重要度が増し、サイバーセキュリティ業界はこれまで以上に法律に関わっていくことになるだろうと予測した。
モス氏は、著作権の被害を受けた権利者が訴訟を起こすことはあたりまえなのに、サイバー攻撃の被害を受けた企業が攻撃者を告訴した事例はほとんどないことに言及し、今後は増えていくと語った。
また、ソフトウェアや Web サービスは、車輪や羽はついていないものの、飛行機や自動車と同様の社会的道具であり、今後は、飛行機や自動車が事故を起こしたら裁判沙汰になるように、ソフトウェア開発社の責任が問われることになるだろうと述べた。
《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》
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