「Windows 10 Anniversary Update」でアプリやWebでも生体認証が利用可能に(マイクロソフト) | ScanNetSecurity
2024.05.04(土)

「Windows 10 Anniversary Update」でアプリやWebでも生体認証が利用可能に(マイクロソフト)

日本マイクロソフトは5日、プレス向けに「Windows 10 Anniversary Update」に関するセミナーを開催。アップデートの概要などが紹介された。

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ペンの使い勝手が向上、手書き入力の精度も上がっている
ペンの使い勝手が向上、手書き入力の精度も上がっている 全 9 枚 拡大写真
 日本マイクロソフトは5日、プレス向けに「Windows 10 Anniversary Update」に関するセミナーを開催。アップデートの概要などが紹介された。

■個人、法人の両軸で展開

 最新のオペレーティングシステム「Windows 10」は、常に進化し続ける「サービスとしてのWindows (Windows as a service)」として、昨年7月に全世界で提供が開始され、今年7月29日に無償アップグレードの期間が終了した。去る8月2日には、さまざまな機能が強化された「Windows 10 Anniversary Update」が、日本を含む全世界で提供開始されている。

 Windows 10の提供開始から1年が経ち、Windows 10稼働デバイス数はグローバルで3.5億台に達している。日本マイクロソフトでも、国内の一般消費者、および法人の両方に向けた施策を積極的に展開していきたい考えだ。例えば、今夏にかけては全国68都市を周る「Windows 10体験キャラバン」を実施。のべ2.2万人の消費者が最新OSに触れる機会をつくった。国内では、12の企業がWindows 10 Mobileデバイスの発売、または開発を表明しており、グローバルの大手法人87%がWindows 10の導入を検討中だという。

■Cortanaがパーソナルアシスタントに

 Windows 10 Anniversary Updateにより、何が変わったのか。コンシューマー向け製品では「Windows Ink」により、ペンの使い勝手が向上。手書き入力の精度が上がったほか、フリック入力にも改良が加えられた。予測変換も、より賢くなっている。また「Windows Hello」により、アプリやWebでも生体認証が利用可能になった。オンライン決済において、パスワードの入力を行わずとも指紋認証を通じてセキュアに商品が購入できる。

 「Cortana」は、Windows 10から導入された音声認識機能付きのアシスタント機能。今回のアップデートで、日本語の発音がより自然になったほか、日本の風習、文化、慣習を踏まえたやりとりが行えるようになっている。

 壇上ではデモも実施。「135ユーロ」と言うと、日本円に換算した結果が表示。「JAL3便」と言うと到着時間が、「京急遅れ」と言うと京浜急行電鉄の運行情報が、「明日の予定」と言うとスケジュールが表示された。Cortanaと双方向の会話を行い、旅行先を相談で決めていくデモも披露された。

■法人向けにはセキュリティを強化

 最後に、法人向けの機能について紹介があった。「Windows Information Protection」では情報漏えい対策として、業務で使用するアプリと個人で使うアプリを行き来するデータをブロックする。壇上では、業務で作成したワードファイルのテキストの一部を、業務で使うパワーポイントにコピー&ペーストできることが示された後、同じ箇所のコピーを個人のTwitterアカウントにペーストしようとすると警告が表示され、ペーストできない様子が紹介された。

 またPCに侵入したウイルスは、早期侵入検知サービス「Windows Defender Advanced Threat Protection(ATP)」で迅速に対応できる。第三者機関の脅威情報データと連携しており、さまざまな侵入者のプロファイルを検知するなどの対策がとれるのが特徴だ。このほか、学校のデバイス管理を想定した「Education向け拡張機能」を提供。IT管理者のいない教育機関で便利に使えるよう、共有デバイスのセットアップや管理を簡易化しているという。

 一般消費者に向けての無償アップグレード期間は終わってしまったが、障がい者向けには引き続き、無償でWindows 10のアップグレードを提供していく見込み。学習に困難を抱える子どもにはPC・タブレットの活用方法を提案する。シニアに向けても支援していく方針だという。日本マイクロソフトでは「選ばれ、愛されるWindowsへ」というキャッチフレーズで、今後ともWindows 10ユーザーの裾野を拡大していきたい考えだ。

■今後、無償アップグレードできる機会は?

 プレスセミナーの最後に、質疑応答の時間が設けられた。

--- Windows 10 Mobileの売り込み状況について。

三上氏「Windows 10 Mobileではセキュリティ、生産性、オフィスとの親和性といったところで多くの引き合いがある。Windows 10の導入を考えているお客さまが、一緒にWindows 10 Mobileの導入を検討されるパターンが多い。そこで日本マイクロソフトとしても、OSをWindows 10へ切り替えるタイミングで、Windows 10 Mobileもご提案していくことを考えている。さまざまなパートナーさまと協力しながら積極的に展開していきたい」。

--- 今後、再びWindows 10へ無償アップグレードできる機会はあるか。

三上氏「無償アップグレード期間が終わってしまったので、ない」

「Windows 10 Anniversary Update」で何が変わった?

《近藤謙太郎@RBB TODAY》

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