転換期を迎えるサイバー攻撃、コインマイナーやBECへの対策が急務(トレンドマイクロ) | ScanNetSecurity
2025.10.05(日)

転換期を迎えるサイバー攻撃、コインマイナーやBECへの対策が急務(トレンドマイクロ)

トレンドマイクロは、日本国内および海外でのセキュリティ動向を分析した報告書「2017年年間セキュリティラウンドアップ:セキュリティの常識を覆すサイバー犯罪の転換期」を公開した。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
「2017年年間セキュリティラウンドアップ:セキュリティの常識を覆すサイバー犯罪の転換期」
「2017年年間セキュリティラウンドアップ:セキュリティの常識を覆すサイバー犯罪の転換期」 全 5 枚 拡大写真
トレンドマイクロ株式会社は2月27日、日本国内および海外でのセキュリティ動向を分析した報告書「2017年年間セキュリティラウンドアップ:セキュリティの常識を覆すサイバー犯罪の転換期」を公開した。報告書によると、2016年全体で同社がブロックした脅威の合計数は約660億件で、2016年の約810億件から減少している。この減少は、攻撃手法が無差別化から標的化へ移行したことが原因としている。

2017年は、サイバー犯罪者の狙いが仮想通貨へ拡大し、特に日本では2017年下半期にその動きが顕著になった。国内での2017年第4四半期の「コインマイナー」の検出数は、約13万5,370件を記録し、過去最大となった。コインマイナーを拡散させる脆弱性攻撃サイトの急増や、インターネット利用者の端末を利用してWeb経由でマイニングを実行する仮想通貨発掘サービス「Coinhive(コインハイブ)」の登場が転換点となり、仮想通貨を狙うサイバー犯罪に拍車をかけている。

ランサムウェアでは、2017年5月に登場した「WannaCry」の2017年間検出台数は、国内で約1万8,500台、全世界では約32万1,800台に上った。特に全世界では検出台数が継続して増加している。病院や鉄道、製造といった特有環境での被害事例も多く、従来は安全と考えられていた「クローズド環境における安全神話の崩壊」という転換期を示す代表的なセキュリティインシデントとなった。

また2017年は、BEC(ビジネスメール詐欺)の被害事例が国内で5件発覚した。特に、2017年12月に公表された日本の大手航空会社における被害事例では、3億8,000万円以上という国内で過去最大のBEC被害となっている。これは、日本国内でBECを使用したサイバー攻撃が増える可能性もあり、現在海外で増加している「CEO詐欺」と合わせて、企業における対策が急務としている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. サイバー攻撃者が変更偽装困難なたったひとつの特徴

    サイバー攻撃者が変更偽装困難なたったひとつの特徴

  2. ガートナー、2025 年版の日本におけるセキュリティのハイプ・サイクル発表

    ガートナー、2025 年版の日本におけるセキュリティのハイプ・サイクル発表

  3. 諭旨解雇処分 ~ 電気通信大学 准教授 共同研究先の企業に秘密を漏えい

    諭旨解雇処分 ~ 電気通信大学 准教授 共同研究先の企業に秘密を漏えい

  4. 業務目的外でパソコンを利用中に詐欺サイトに接続 ~ 委託事業者パソナの従業員

    業務目的外でパソコンを利用中に詐欺サイトに接続 ~ 委託事業者パソナの従業員

  5. 日本語2バイト文字の防壁が消失 日本プルーフポイント 増田幸美が考える「最も狙われる日本に必要な守りの再定義」

    日本語2バイト文字の防壁が消失 日本プルーフポイント 増田幸美が考える「最も狙われる日本に必要な守りの再定義」PR

ランキングをもっと見る
PageTop