Apache Struts において namespace の値検証不備により任意のコードが実行可能となる脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.03.28(木)

Apache Struts において namespace の値検証不備により任意のコードが実行可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

Web アプリケーションの開発フレームワークとして、世界的に利用されているApache Struts 2 に、遠隔から任意のコードが実行可能となる脆弱性が公開されています。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
struts.apache.org
struts.apache.org 全 1 枚 拡大写真
◆概要

 Apache 財団が公開している Web アプリケーションの開発フレームワークである Apache Struts に、遠隔から任意のコードが実行可能となる脆弱性が、報告されています。攻撃者に脆弱性を悪用されてしまった場合、意図しない動作を強制され重大な情報セキュリティ事故が発生してしまう可能性が考えられます。脆弱性に対応したバージョンが公開されているため、アップデートを適用することにより対策してください。

◆分析者コメント

 Struts のバージョン 1 系への影響が懸念される脆弱性ではありますが、遠隔コード実行を引き起こす手法が Struts のバージョン 2 系から導入された機能である OGNL 式の挿入によるものであるため、Struts のバージョン 1 系に影響が及ぶ可能性は低いと考えられます。今回報告された脆弱性は、過去に報告された Struts の遠隔コード実行の脆弱性の中でも設定条件が厳しいため、脆弱性による被害を受ける可能性は低いですが、念のためアップデートを適用して根本的な対策をすることを推奨します。

◆深刻度(CVSS)

 本記事執筆時点 (2018 年 9 月 17 日) で CVSS 値の情報は公開されていません。

◆影響を受けるソフトウェア

 Apache Struts 2 系の以下のバージョンが脆弱性の影響を受けます。

  - Struts 2.3 系: Struts 2.3.35 より前のバージョン
  - Struts 2.5 系: Struts 2.5.17 より前のバージョン

 脆弱性の影響を受けるバージョンの範囲については、Apache Struts 2 のうちサポートされているバージョンのみの情報しか公開されていません。Apache Struts 2 のうちサポートされていないバージョンでも当該脆弱性の影響を受ける可能性が高いため、Struts 2.3 系または Struts 2.5 系の最新バージョンへのアップデートを推奨します。

◆解説

 Web アプリケーションの開発フレームワークとして、世界的に利用されているApache Struts 2 に、遠隔から任意のコードが実行可能となる脆弱性が公開されています。

《株式会社ラック デジタルペンテスト部》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 富士通の複数の業務パソコンにマルウェア、個人情報を含むファイルを不正に持ち出せる状態に

    富士通の複数の業務パソコンにマルウェア、個人情報を含むファイルを不正に持ち出せる状態に

  2. ランサムウェアに身代金を支払う傾向の強い組織の構造が明らかに

    ランサムウェアに身代金を支払う傾向の強い組織の構造が明らかに

  3. 総務省「無線LANセキュリティガイドライン」更新、自宅と公衆に分冊

    総務省「無線LANセキュリティガイドライン」更新、自宅と公衆に分冊

  4. プロ e スポーツ選手のアカウントにハッキング

    プロ e スポーツ選手のアカウントにハッキング

  5. 日東製網へのランサムウェア攻撃、約 1 ヶ月で全システム復旧

    日東製網へのランサムウェア攻撃、約 1 ヶ月で全システム復旧

  6. 時給7,500円 ~ 総務省、非常勤サイバーセキュリティ人材募集 月2時間 霞が関勤務

    時給7,500円 ~ 総務省、非常勤サイバーセキュリティ人材募集 月2時間 霞が関勤務

  7. UDP ベースのアプリケーション層プロトコル実装にサービス運用妨害(DoS)の脆弱性

    UDP ベースのアプリケーション層プロトコル実装にサービス運用妨害(DoS)の脆弱性

  8. 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」制度に新たに 2 類を創設、価格要件を緩和

    「サイバーセキュリティお助け隊サービス」制度に新たに 2 類を創設、価格要件を緩和

  9. 脆弱性診断の新たな選択肢「ちょうどいいレベルの診断」を AeyeScan活用でサービス化 ~ NTTデータ先端技術

    脆弱性診断の新たな選択肢「ちょうどいいレベルの診断」を AeyeScan活用でサービス化 ~ NTTデータ先端技術PR

  10. Jenkins に任意のファイルの読み取りが可能となるコマンドラインインターフェース機能におけるアクセス制御不備の脆弱性(Scan Tech Report)

    Jenkins に任意のファイルの読み取りが可能となるコマンドラインインターフェース機能におけるアクセス制御不備の脆弱性(Scan Tech Report)

ランキングをもっと見る