サイバー犯罪とサイバーエスピオナージの二刀流「APT41」(ファイア・アイ) | ScanNetSecurity
2024.03.30(土)

サイバー犯罪とサイバーエスピオナージの二刀流「APT41」(ファイア・アイ)

ファイア・アイは、新たに名付けられたAPT(Advanced Persistent Threat)グループ「APT41」の詳細を発表した。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
APT41が直接の標的にした産業の年表
APT41が直接の標的にした産業の年表 全 1 枚 拡大写真
ファイア・アイ株式会社は8月8日、新たに名付けられたAPT(Advanced Persistent Threat)グループ「APT41」の詳細を発表した。同社では、APT41の個々のメンバーが、主に金銭を目的とする攻撃を2012年から行っていたことを観測。その後、国家が支援していると思われる攻撃(エスピオナージ:諜報)に領域を拡大したと推測している。スパイ活動とサイバー犯罪の両方を行う犯罪者グループが珍しいという。

これまでに、フランス、インド、イタリア、日本、ミャンマー、オランダ、シンガポール、韓国、南アフリカ、スイス、タイ、トルコ、英国、米国、香港の国や地域に拠点を置く組織が標的になっている。APT41の特徴として、金銭目的ではゲーム業界、エスピオナージでは医療、ハイテク、通信業界の知的財産の窃取を目的としており、通常はエスピオナージに使用されるツールを金銭目的に使用することもあるという。

APT41は、組織のネットワーク・セグメンテーションを中継するシステムを迅速に特定して、水平展開して侵害を拡大する。わずか2週間で、複数のネットワーク・セグメントおよび複数の地理的領域にわたって、数百のシステムを侵害したケースも確認されている。また、非常に機敏かつ執拗で、被害者の環境の変化やインシデント対応担当者の行動に迅速に対応する。レポートでは、今後はサプライチェーン攻撃の可能性があると警告している。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 富士通の複数の業務パソコンにマルウェア、個人情報を含むファイルを不正に持ち出せる状態に

    富士通の複数の業務パソコンにマルウェア、個人情報を含むファイルを不正に持ち出せる状態に

  2. ランサムウェアに身代金を支払う傾向の強い組織の構造が明らかに

    ランサムウェアに身代金を支払う傾向の強い組織の構造が明らかに

  3. プロ e スポーツ選手のアカウントにハッキング

    プロ e スポーツ選手のアカウントにハッキング

  4. 日東製網へのランサムウェア攻撃、約 1 ヶ月で全システム復旧

    日東製網へのランサムウェア攻撃、約 1 ヶ月で全システム復旧

  5. 総務省「無線LANセキュリティガイドライン」更新、自宅と公衆に分冊

    総務省「無線LANセキュリティガイドライン」更新、自宅と公衆に分冊

  6. 脆弱性診断の新たな選択肢「ちょうどいいレベルの診断」を AeyeScan活用でサービス化 ~ NTTデータ先端技術

    脆弱性診断の新たな選択肢「ちょうどいいレベルの診断」を AeyeScan活用でサービス化 ~ NTTデータ先端技術PR

  7. 時給7,500円 ~ 総務省、非常勤サイバーセキュリティ人材募集 月2時間 霞が関勤務

    時給7,500円 ~ 総務省、非常勤サイバーセキュリティ人材募集 月2時間 霞が関勤務

  8. 早稲田スポーツ新聞会のホームページがウイルス感染、意図せずファイルがダウンロードされる被害

    早稲田スポーツ新聞会のホームページがウイルス感染、意図せずファイルがダウンロードされる被害

  9. Meta 社へ申請するも復旧困難と判断、乗っ取り被害の「池袋エリアプラットフォーム」の Facebook ページ削除

    Meta 社へ申請するも復旧困難と判断、乗っ取り被害の「池袋エリアプラットフォーム」の Facebook ページ削除

  10. Jenkins に任意のファイルの読み取りが可能となるコマンドラインインターフェース機能におけるアクセス制御不備の脆弱性(Scan Tech Report)

    Jenkins に任意のファイルの読み取りが可能となるコマンドラインインターフェース機能におけるアクセス制御不備の脆弱性(Scan Tech Report)

ランキングをもっと見る