ロシアのアクターは独立型? 「ロシアAPT地図」から見えてきた事実 | ScanNetSecurity
2026.10.30(金)

ロシアのアクターは独立型? 「ロシアAPT地図」から見えてきた事実

ロシアによる国家支援型サイバー攻撃は1996年の「Moonlight Maze」が最初といわれている。米国の兵器に関する情報を狙ったサイバーエスピオナージで、現在のAPT攻撃の源流といってもいいかもしれない。

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Itay Cohen氏
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 ロシアによる国家支援型サイバー攻撃は 1996 年の「Moonlight Maze」が最初といわれている。米国の兵器に関する情報を狙ったサイバーエスピオナージで、現在の APT 攻撃の源流といってもいいかもしれない。

●カテゴライズが難しいAPT攻撃グループ

 現在、ロシア政府が関与するのは APT28、29 が有名だが、攻撃グループはこれだけではない。「Bare(熊)」の総称でも呼ばれるロシア系グループは無数に存在する。APT 攻撃の分類では FireEye のレポートが有名だが、ロシアの攻撃グループ(アクター)やマルウェアファミリーの全容まではカバーしきれていない。いわゆる APT キャンペーンでは分類できない攻撃者やマルウェアも存在するからだ。

 しかも、国家支援型(ステートスポンサード)攻撃は、国家機関の職員や軍隊が実施するものはむしろ少ない。通常、国家機関や政府が既存の攻撃グループや犯罪組織を利用するか、これらを使ってプロジェクトやグループを組織することも多い。ロシア、中国、北朝鮮のサイバー攻撃グループといっても、その実態は千差万別だ。

 分類や調査が難しい APT 攻撃グループだが、ロシアの APT エコシステムを研究している研究者も少なくない。Itay Cohen 氏と Ari Eitan 氏は、収集したマルウェアサンプルを詳細に分析し、「アクター」「アクターが使うマルウェアファミリー」「アクターの攻撃対象」の3つの情報を軸に Gephi(オープンソースのネットワーク可視化ツール)を用いて「ロシア APT エコシステム」のマップづくりに成功した。Cohen 氏はチェックポイントリサーチのエンジニア。Eitan 氏はマルウェア解析企業 Intezer の副社長だ。

 彼らの分析結果は apt-ecosystem.com というサイトで確認することができる。本稿では 2019 年暮れに AVAR 2019 で行われた二人の講演をもとに、彼らが作りあげた「ロシア APT 地図」を読み解いていく。

《中尾 真二( Shinji Nakao )》

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