だれも知らない日本のもうひとつの敗戦 - 21 世紀の安全保障の概念を根底から変えた『超限戦』レビュー | ScanNetSecurity
2023.06.07(水)

だれも知らない日本のもうひとつの敗戦 - 21 世紀の安全保障の概念を根底から変えた『超限戦』レビュー

作家・評論家の一田和樹氏に、今年復刊されたサイバーセキュリティ分野の超重要書のレビューを依頼し快諾をいただきました。本稿前編を終戦記念日を目前に控える今週配信します。

調査・レポート・白書・ガイドライン ブックレビュー
一田 和樹
一田 和樹 全 1 枚 拡大写真
 作家・評論家の一田和樹氏に、今年復刊されたサイバーセキュリティ分野の超重要書のレビューを依頼し快諾をいただきました。本稿前編を終戦記念日を目前に控える今週配信します。

--

 今春角川新書で復刊された『超限戦』は 1999 年に中国のふたりの軍人によって書かれた本であり、その予言(アメリカ同時多発テロ)が二年後に現実のものとなって注目を浴びた。本書は 21 世紀の戦争を予言したもので、具体的に起こり得るもののひとつとしてアルカイダによるアメリカへの攻撃(国家をゆるがすレベル)が指摘されていた。そして 20 年前に書かれた本でありながら、いまだに世界の多くの国はそこに描かれた 21 世紀の戦争に対応できていない。

 『超限戦』は 21 世紀の戦争の教科書とも言える存在だが、残念なことに角川新書で復刊されるまで我が国では長らく入手が困難だった。そのため『超限戦』という名前は知っていても内容を知らない、あるいは存在自体を知らない人も少なくない。加えて言うと読んでも必ずしも理解していない人も少なくない。『超限戦』を「安全保障」と「ネット企業への影響」というふたつの側面から前後編に分けて紹介してみたい。本稿をご覧になって関心を持った方は原典をお読みになることをお勧めする。

《一田 和樹》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. トヨタ自動車でのクラウド誤設定による情報漏えい、調査結果を公表

    トヨタ自動車でのクラウド誤設定による情報漏えい、調査結果を公表

  2. エーザイグループのクラウドへ不正アクセス、約 11,000 件の取引先関係者情報が漏えいした可能性

    エーザイグループのクラウドへ不正アクセス、約 11,000 件の取引先関係者情報が漏えいした可能性

  3. 非エンジニアの文系ライターが挑んだSecuriST(セキュリスト)認定ネットワーク脆弱性診断士受験記 [前編] もしもう一度ゼロからやり直せるなら

    非エンジニアの文系ライターが挑んだSecuriST(セキュリスト)認定ネットワーク脆弱性診断士受験記 [前編] もしもう一度ゼロからやり直せるならPR

  4. ランサムウェア身代金支払率、日本は国際トレンドに逆行 ~ プルーフポイント年次レポート

    ランサムウェア身代金支払率、日本は国際トレンドに逆行 ~ プルーフポイント年次レポート

  5. アバントグループ子会社に不正アクセス、「開示 Net」「総務 Net」をはじめとするサービスの提供を停止

    アバントグループ子会社に不正アクセス、「開示 Net」「総務 Net」をはじめとするサービスの提供を停止

  6. 日本コンクリート工業にランサムウェア攻撃、現時点でデータ漏えいの痕跡は発見されず

    日本コンクリート工業にランサムウェア攻撃、現時点でデータ漏えいの痕跡は発見されず

  7. ランサムウェア身代金 払い続けた世界の末路 ~ ウィズセキュアが犯罪のプロ化警鐘

    ランサムウェア身代金 払い続けた世界の末路 ~ ウィズセキュアが犯罪のプロ化警鐘

  8. ネスコグループのサーバへ不正アクセス、不正な外部への送信は確認されず

    ネスコグループのサーバへ不正アクセス、不正な外部への送信は確認されず

  9. 厚生労働省のサーバを経由し約10万件の迷惑メールを送信

    厚生労働省のサーバを経由し約10万件の迷惑メールを送信

  10. 中間者攻撃や盗聴など ~ ネットカフェ「自遊空間」のクーポンアプリにサーバ証明書検証不備の脆弱性

    中間者攻撃や盗聴など ~ ネットカフェ「自遊空間」のクーポンアプリにサーバ証明書検証不備の脆弱性

ランキングをもっと見る