Microsoft Windows の Windows Update Orchestrator Service におけるCOM API への権限制御不備により管理者権限への昇格が可能となる脆弱性(Scan Tech Report)
2020 年 6 月に、Microsoft Windows で管理者権限の奪取が可能となる脆弱性が報告されています。
脆弱性と脅威
エクスプロイト

2020 年 6 月に、Microsoft Windows で管理者権限の奪取が可能となる脆弱性が報告されています。脆弱な端末への侵入に成功した攻撃者は、当該脆弱性を悪用することで、対象端末の全権限を掌握することが可能です。Microsoft 社からセキュリティ更新プログラムが公開されているため、セキュリティ更新プログラムの適用により対策してください。
◆分析者コメント
当該脆弱性は、Microsoft Windows 10 Version 1903 およびそれよりも新しい Windows OS のみと脆弱性の影響を受ける範囲はあまり広くありません。スケジュールタスクの実行までには時間がかかるため、脆弱性の悪用には時間がかかります。しかし、脆弱性の悪用が容易であり、マルウェアの潜伏にも悪用できる脆弱性であると考えられるため、対象システムへの潜入に成功した攻撃者に悪用されてしまう可能せがあります。Microsoft からすでにセキュリティ更新プログラムが公開されているため、セキュリティ更新プログラムの適用により対策してください。
◆深刻度(CVSS)
[CVSS v3.1]
7.8
https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v3-calculator?name=CVE-2020-1313&vector=AV:L/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H&version=3.1&source=NIST
◆影響を受けるソフトウェア
以下のバージョンの Microsoft Windows が当該脆弱性の影響を受けると報告されています。
- Microsoft Windows 10 Version 1903
- Microsoft Windows 10 Version 1909
- Microsoft Windows 10 Version 2004
- Microsoft Windows Server 1903
- Microsoft Windows Server 1909
- Microsoft Windows Server 2004
◆解説
Microsoft Windows で Windows Update の制御をするためのサービスである、Windows Update Orchestrator Service に、API 関数の権限制御が弱いことに起因する権限昇格の脆弱性が報告されています。
《株式会社ラック デジタルペンテストサービス部》
関連記事
この記事の写真
/
関連リンク
特集
アクセスランキング
-
VPN製品に関する脆弱性対策情報の深刻度別割合、「危険」「警告」で95%を占める
-
先端セキュリティ企業は互いをどう評価したか、ゼロトラストネットワーク 4 つの条件
-
2020年 企業へのサイバー攻撃動向総括 ~ 盗まれた認証情報はいくらで売りに出されるか
-
日本も457台が被害に、テレワークがもたらしたPCからの情報窃取の現実
-
仮想通貨取引所「Liquid」への不正アクセス最終報、APIキー等169,782件の流出を確認
-
我が社の IoT 活用の課題 総洗い出し ~ JSSEC IoT セキュリティチェックシート活用方法
-
Bugtraq の死と復活、歴史あるコミュニティにアクセンチュアがとった処遇
-
売上規模別に見た 全 IT 投資中のセキュリティ予算比率 ~ 東証上場企業
-
ファイル誤添付、Excel 別シートに新型コロナ接触者情報記載
-
一体どうバランスを取るか? 高度なサイバー攻撃対策 & 日々のセキュリティ運用PR