中小企業のリスク意識と対策を調査、コロナ禍の影響を色濃く反映
日本損害保険協会は、「中小企業のリスク意識・対策実態調査2021」を発表した。
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調査結果によると、企業を取り巻くリスクについて「近年リスクが増えていると思う」と回答したのは全体の60.4%を占めた。近年増えているリスクは「自然災害」(37.3%)、「感染症」(37.3%)、「取引先の廃業等による売上の減少」(32.5%)の3つがほぼ同じ割合で上位となった。「サイバーリスク」は13.9%、「情報の漏えい」は10.9%であった。
リスクへの対策・対処については、「特に対策・対処をしていない」との回答が36.6%に及び、その理由には「対策をする費用に余裕がない」(21.0%)、「対策方法が分からない」(13.5%)、「リスクが発生する可能性は低いと考えている」(11.7%)などとなっている。
何らかのリスクによる被害経験については、27.0%が「ある」と回答した。その内容は「自然災害」と「取引先の廃業等による売上の減少」がともに46.8%で最も多く、「感染症」が13.3%でこれに続いた。被害経験があると回答した278名に被害額を聞くと、「法令違反」「取引先の廃業等による売上の減少」「事故」では1億円以上となった。
被害を受けた際の考えについては「何かしらのリスクが発生するのはしょうがない」という回答が最も多かったが、「被害がこんなにも大きくなるとは思っていなかった」「リスクに対する備えが不足していた」「うちの会社ではまさか起こらないと思っていた」など、危機意識の低い回答も半数近くあった。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》
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