Apple、人権抑圧国家御用達のソフトウェア開発企業を提訴
Apple Japan合同会社は11月23日、Appleユーザーに対する監視と標的設定への責任を問い、NSO Groupとその親会社を提訴したと発表した。
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NSO Groupは、イスラエルのソフトウェア企業。独裁国家など、人権抑圧政治体制の政府などに向けて、国内の人権活動家などの監視や人権抑圧などを政府が行うことを目的としたソフトウェア開発において優れた実績を持つ企業。
Appleの訴状によると、NSO GroupのFORCEDENTRYは被害者のAppleデバイスに侵入してNSO Groupのスパイウェア製品であるPegasusの最新バージョンをインストールするために使用され、現在はパッチ適用済みの脆弱性に対するエクスプロイトで、トロント大学の研究グループであるCitizen Labが発見した。同スパイウェアは、危険なマルウェアやスパイウェアによって世界中の少数のAppleユーザーを攻撃するために使用され、Appleの訴訟では、NSO Groupに対しApple製品及びサービスを使用し個人に危害を加えることの禁止を求めており、またこの訴訟では、Appleとそのユーザーを標的に攻撃を策略したことによる、NSO Groupの米国連邦法及び州法の違反を是正することも目指している。
NSO Groupとそのクライアントは、高度な標的型サイバー攻撃実行するために国家の多大なリソースと能力を使用し、AppleデバイスとAndroidデバイス上のマイクロフォン、カメラ、その他の機密データへのアクセスを可能にし、AppleデバイスにFORCEDENTRYを配信するために、攻撃者はApple IDを作成し悪意のあるデータを被害者のデバイスに送信し、NSO Groupまたはそのクライアントが被害者の知らない間にPegasusスパイウェアを配信してインストールできるようにしているという。なおAppleのサーバは、FORCEDENTRYの配信のために不適切に使用されたが、攻撃によるハッキングや侵害は受けていない。
トロント大学Citizen Labのディレクターであるロン・デイバート氏は「NSO Groupのような金銭目当てのスパイウェア組織は、自分たちやその投資家は富を得ながら、世界で最悪の人権侵害と複数国家にまたがる抑圧行為のいくつかを助長してきました。」と断罪している。
《ScanNetSecurity》