2つのテイクダウン作戦~民間と法執行機関の連携、欧州 ESET 事例 | ScanNetSecurity
2025.11.18(火)

2つのテイクダウン作戦~民間と法執行機関の連携、欧州 ESET 事例

ESET WORLD 2021において、ESETと世界の法執行機関との連携について発表を行っている。そこでは、アンドロメダやTrockbotなどのテイクダウンでESETがどのような役割を演じたのかを公開している。

研修・セミナー・カンファレンス セミナー・イベント
アンドロメダボットネットの攻撃詳細
アンドロメダボットネットの攻撃詳細 全 5 枚 拡大写真
 2021 年 6 月、警察庁は「サイバー局」を新設すると発表した。新局は高度化するサイバー犯罪への対応力・捜査力強化を担う組織だ。FBI やユーロポールのようにサイバー組織犯罪の摘発、サイバー空間の治安維持への期待が高まる。

●サイバー犯罪摘発に欠かせない両輪:法執行機関と民間セクター

 広域化・高度化するサイバー犯罪捜査において、法執行機関(Law Enforcement)にも高い専門性と、国境や所轄を超えた捜査、連携が重要なポイントとなる。FBI やユーロポールのような警察機関の連携なくして、サイバー犯罪者に対向はできない。そして、この専門性と広域連携には民間セクターとの協力体制が欠かせない。

 サイバー攻撃被害に見舞われた企業の報告書に「警察の捜査に全面協力し真相究明にあたる」という文字を目にすることはあるが、捜査機関と民間のセキュリティベンダーとの、協力や連携実態に光があたることはほとんどない。ことは犯罪捜査なので、共同作業や情報共有は行われているものの、それが公になることはまずないのだ。

 犯罪捜査では両者の信頼関係が鍵となる。捜査機関は民間の技術力で証拠を固め、検挙や摘発をより効果的に行うことができる。一方民間セクターは、犯罪捜査に協力することで、マルウェアの解析やフォレンジックなど専門性の高い技術の検証を行ったり情報収集を行うことができる。また、犯罪捜査等の情報公開は、セキュリティ分野での知見共有、ナレッジの蓄積、さらには一定の犯罪抑止力にもつながる。

 たとえば欧州のセキュリティの雄 ESET は、2021 年夏に開催された同社カンファレンス(ESET WORLD 2021)において、自社と世界の法執行機関との連携について発表を行っている。そこでは、アンドロメダや Trockbot などのテイクダウンで ESET がどのような役割を演じたのかを公開している。

《中尾 真二( Shinji Nakao )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. テインにランサムウェア攻撃、グループ各社にも影響

    テインにランサムウェア攻撃、グループ各社にも影響

  2. Blue Yonder社のシフト作成ツールへの不正アクセスで西友従業員の個人情報が漏えい

    Blue Yonder社のシフト作成ツールへの不正アクセスで西友従業員の個人情報が漏えい

  3. 攻撃者側のウェブサイトに社名と会社ロゴが掲載 ~ エネサンスホールディングスへのランサムウェア攻撃

    攻撃者側のウェブサイトに社名と会社ロゴが掲載 ~ エネサンスホールディングスへのランサムウェア攻撃

  4. 京都の中高一貫校にランサムウェア攻撃

    京都の中高一貫校にランサムウェア攻撃

  5. 「漏えい情報を復号できないため報告を要しない(個人情報保護委員会)」ランサムウェアの前に全データを暗号化するソリューションで保険代理店の顧客情報守られる

    「漏えい情報を復号できないため報告を要しない(個人情報保護委員会)」ランサムウェアの前に全データを暗号化するソリューションで保険代理店の顧客情報守られる

ランキングをもっと見る
PageTop