「日本版eシール」の社会実装に向けた実証実験結果が公開 | ScanNetSecurity
2026.06.15(月)

「日本版eシール」の社会実装に向けた実証実験結果が公開

日本政府が取り組んでいるトラストサービスのひとつ「日本版eシール」の社会実装に向けた実証実験結果が各所から公開されている。

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富士通、帝国データバンク、Boxによる実証実験のイメージ
富士通、帝国データバンク、Boxによる実証実験のイメージ 全 1 枚 拡大写真

 日本政府が取り組んでいるトラストサービスのひとつ「日本版eシール」の社会実装に向けた実証実験結果が各所から公開されている。トラストサービスとは、インターネット上で本人であることやデータの正当性を証明することにより、送信元のなりすましや改ざんなどを防止するための仕組みのこと。

 eシールは、トラストサービスの中でも文書の発行元を確認できる仕組み。総務省では2021年6月に、eシールに係る技術上・運用上の基準等を整理した「eシールに係る指針」を公表しており、各社が実証実験を進めている。

 11月9日には、富士通と帝国データバンク(TDB)が、2022年4月から9月まで6カ月間実施した実証実験結果に関する報告書を公表した。この実証実験は、富士通のトラストサービス「Fujitsu Computing as a Service Data e-TRUST(Data e-TRUST)」とTDBの保有する企業の存在証明に関するナレッジ、およびBOX Japanが提供するコンテンツクラウド「Box」を連携させ、eシールを活用するサービスモデル(プロトタイプ)を構築したというもの。

 Boxを利用したリモートでのファイル授受の検証では、文書にeシールを付与し、検証の操作を行うことで、簡易に文書の真正性を確認することができたという。現在、電話連絡や問合せ等による真正性確認業務に対して、大幅な工数の削減が見込めるほか、真正性確認を実施していない文書授受に活用することで、不正文書取引の抑制やリスク回避も期待できるとした。

 一方で、多対多の関係やさまざまなファイルが混在する環境での、特定の証明機関とサービスに限定されたeシールの利用では有用性の効果は低く、さまざまなサービスで簡易に導入可能な環境及び仕組みを検討していく必要がある。また、認証の仕組みやeシール活用の拡張も検討する必要があるとしている。

 一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)も同日、トラストサービスの適合性評価機関として参加し、同社のeシール用電子証明書の発行業務の審査を通じて、JIPDECが実施しているトラストサービス評価事業における認証局の審査基準がeシール用認証局の審査にも応用可能であることを確認したと発表している。

 JIPDECでは今後、評価基準案をブラッシュアップしていくとともに、トラストサービスの適合性評価機関としての体制をさらに強化し、関係団体と連携してデジタルトラスト基盤に関する政策支援を行いながら、わが国が目指すべきデジタル社会の実現に取り組んでいくとしている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

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