国際標準も参照、日本の「セキュリティ対応組織の教科書」が X.1060 逆輸入し全面改訂第 3 版 | ScanNetSecurity
2025.11.19(水)

国際標準も参照、日本の「セキュリティ対応組織の教科書」が X.1060 逆輸入し全面改訂第 3 版

 日本セキュリティオペレーション事業者協議会(Information Security Operation providers Group Japan:ISOG-J:イソグジェー)は 2 月 13 日、「セキュリティ対応組織の教科書 第3.0版 (2023年2月)」を刊行した。ITU-T 勧告 X.1060 に合わせた全面改訂を行った。

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 日本セキュリティオペレーション事業者協議会(Information Security Operation providers Group Japan:ISOG-J:イソグジェー)は 2 月 13 日、「セキュリティ対応組織の教科書 第3.0版 (2023年2月)」を刊行した。ITU-T 勧告 X.1060 に合わせた全面改訂を行った。

 「セキュリティ対応組織の教科書」は 2016 年初版刊行。インシデント対応やセキュリティ運用、脆弱性診断などの広範なセキュリティ関連業務の数々を網羅的に整理しただけでなく、外注するか内製するかをどのように判断するかの考え方を示すなど、企業等の組織が持つべきセキュリティ戦略や管理にあたっての実効性の高い視座を提供した。

 「セキュリティ対応組織の教科書」は、これまで個別に議論されることでサイロ化への道を爆走しつつあった当時の日本のセキュリティ管理に、全体を俯瞰する視点を提供したことが高く評価され、経済産業省の「サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク」や、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver 2.0 実践のためのプラクティス集」等の公的ガイドラインから参照されるに至った。しかし同教科書の評価は、日本国内だけにとどまるものではなかった。

 スイスに所在する国連機関である国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T:International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)もまた同書を参照し、結果「セキュリティ対応組織の教科書」の提案や考え方が数多く含まれる形で 2021 年に国際標準「X.1060(Framework for the creation and operation of a cyber defence centre)」がまとめられ勧告された。なお、X.1060 の策定には、ISOG-J 副代表 セキュリティオペレーション連携 WG リーダー武井 滋紀 氏が参加、協力した

 「セキュリティ対応組織の教科書 第3.0版」は、X.1060 を参照して全面改訂を行ったもので、いわば日本から輸出された考え方が X.1060 に反映され、今度はその X.1060 を逆輸入した形になる。

 武井氏は本誌の取材にこたえ以下のコメントを寄せている。「2018 年の第 2.1 版以来、およそ 5 年ぶりの最新版となります。ISOG-J では引き続き、セキュリティオペレーション事業者の連携によって生まれるノウハウやナレッジを広く提供します(武井氏)」

《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》

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