サイバー犯罪最前線、官民・国際連携で挑む「次世代の安全確保への挑戦」~ Internet Week 2025 | ScanNetSecurity
2025.11.05(水)

サイバー犯罪最前線、官民・国際連携で挑む「次世代の安全確保への挑戦」~ Internet Week 2025

 サイバー犯罪対策の最前線で活動する専門家が登壇し、現場の経験をもとに“次の一手”を語る。推奨される行動と避けるべき行動を踏まえた実践的な対応策や、リアルな現場知見を企業の情報システム部門の担当者に役立つ内容として提供される。

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独立行政法人情報処理推進機構 産業サイバーセキュリティセンター 岩田 友臣 氏
独立行政法人情報処理推進機構 産業サイバーセキュリティセンター 岩田 友臣 氏 全 1 枚 拡大写真

 インターネットの技術と運用に関わるエンジニアが一堂に会するイベント「Internet Week(IW)」。1990年代から続く歴史あるインターネットの技術カンファレンスであり、ネットワーク運用、セキュリティ、ガバナンス、教育など多岐にわたる分野の専門家が登壇する。2025年も11月18日~27日に開催予定だ。

 今年のIW2025のテーマは「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ」。技術や立場、世代を越えて、変化の激しい時代にどう立ち向かうかを議論する。

 このIW2025での注目のセッションの一つが「サイバー犯罪対策の最前線」だ。巧妙化・国際化するサイバー犯罪に、官民・国際の連携でどう挑むのか…。被害の最前線で活動する専門家たちが、現場の経験をもとに“次の一手”を語るプログラムになっている。

 このプログラムを企画した委員の岩田 友臣 氏(独立行政法人情報処理推進機構 産業サイバーセキュリティセンター、写真)に、背景や見どころを聞いた。

● サイバー犯罪対策の最前線と現場の視点から「実効性のある対策」を議論

― このプログラムを企画した背景や狙いを教えてください。

 インターネットを安心・安全に活用するためには、サイバー犯罪への対策は避けて通れない重要課題です。近年は、個人や組織の努力だけでは十分ではなく、官民の連携や国際的な協力がますます不可欠になっています。

 今回の「サイバー犯罪対策の最前線」には、検察・警察・JC3など、サイバー犯罪対策の最前線で活動する専門家が登壇します。法執行機関や関係組織の視点から、サポート詐欺の調査・分析やランサムウェア被害の現状、国際協力による取り組み、さらに刑事手続きの流れなどを多面的にお話しいただきます。

 また、現場から見えてきた「推奨される行動」と「避けたほうがよい行動」も具体例を交えて紹介し、組織や個人が事案に備えるためのヒントや、セキュリティ専門家への期待についても触れます。

― 講演者選定では、どのような点を重視しましたか?

 サイバー犯罪を「法執行機関や関係組織の視点」から多角的に取り上げることを重視しました。特に、サイバー犯罪対策の最前線で活動し、対策推進や国際連携に携わる方々をお招きしています。現場で培われた知見や具体的な経験をもとに、実践的な示唆を参加者に届けられるよう構成しています。インターネットの発展と安全の両立をどのように実現していくべきかを、参加者の皆さまと共に考える場とすることを狙いとしています。

● “生の知見” が現場で活かせる「リアルなヒント」に

― プログラムの中で、特に注目してほしいポイント・見どころは何ですか?

 ひとつは、最新のサイバー犯罪動向の共有できることです。サポート詐欺の調査・分析、ランサムウェア被害の現状、国際協力による対策などを取り上げることで、現在直面しているサイバー犯罪の実態と課題を俯瞰できます。

 ふたつめは サイバー犯罪対策の最前線にいる人たちのリアルな話が聞けること。対策や事案対応を担う専門家が、自らの経験をもとに語るリアルな視点や具体的なエピソードは、本セッションならではの大きな見どころです。

 本セッションは「オフレコ」 扱いにしています。ここでしか聞けない現場の知見や刑事手続きの流れ、さらに事案対応で「推奨される行動」と「避けるべき行動」も紹介する予定です。普段は公開が難しい情報や、今後の備えに役立つ実践的なヒントに触れられる貴重な機会になるかと思います。

● IW2025テーマとの接点:「挑戦×経験×世代」

― このプログラムと IW2025のテーマ「挑戦×経験×世代 ~フルスタックで“不確実”の先へ」はどう関連しますか?

 このプログラムでは、“フルスタック”を「多様な立場・世代・視点の連携」と捉えています。講演者には、検察・警察・JC3など、サイバー犯罪対策の現場で活動する異なる組織・立場の方々であるため、多層的な視点から議論ができますし、副題の「経験に学び、次世代の安全確保への挑戦」のとおり、現場の経験を共有することで参加者が“経験”を学び、次世代の安全確保の“挑戦”へとつなげていくことを目指します。

― このセッションを通じて、具体的にどんな変化や対話が生まれるといいですか?

 「参加者の皆さんとともに考える場」になるといいですね。参加者が現場で得られたリアルな知見に触れることで、自らの立場からサイバー犯罪への向き合い方を見直し、インターネットの発展と安全の両立について議論を深めるきっかけとなることを期待しています。さらに、講演者の経験談の共有を通じて、参加者同士や講演者との間で新たな気づきや対話が生まれ、官民連携の強化やセキュリティコミュニティ全体の意識向上につながるような変化が起これば理想的です。

― ありがとうございました。

《ScanNetSecurity》

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