HENNGE Blog 第2回「年間 62 億通の信頼、世界に通用するスペシャリストとして守り抜く “必ず届く電子メール”」 | ScanNetSecurity
2025.12.23(火)

HENNGE Blog 第2回「年間 62 億通の信頼、世界に通用するスペシャリストとして守り抜く “必ず届く電子メール”」

 この記事では、メール技術の世界最前線がどれほど熱いか、そしてCMC(Customers Mail Cloud)が次の成長フェーズに挑む面白さをお伝えします。現在、CMCが顧客企業に代わって配信している電子メールは、金融など各種のサービスにおける「絶対に届かなければならない」重要なメッセージです。まさに日本の社会インフラの一端を担っていることの証明だと考えています。これがなんと年間60億通を超えています。

脆弱性と脅威 脅威動向
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年間62億通の信頼、世界に通用するスペシャリストとして守り抜く「必ず届く電子メール」
年間62億通の信頼、世界に通用するスペシャリストとして守り抜く「必ず届く電子メール」 全 4 枚 拡大写真

 HENNGEのアドベントカレンダーをご覧いただきありがとうございます。メッセージングビジネスの部門を統括している執行役員の大久保です。

 私が率いるメール配信サービス「Customers Mail Cloud(CMC)」が、どのような挑戦をしているのか、皆さんにご紹介したいと思います。

 電子メールという50年以上の歴史を持つ社会インフラの信頼と安全を、GoogleやMicrosoftのエンジニアと直接議論しながら、世界規模で守り続ける。これが私たちの仕事です。

 この記事では、メール技術の世界最前線がどれほど熱いか、そしてCMCが次の成長フェーズに挑む面白さをお伝えします。世界を変える技術に挑戦したいエンジニアや、最高水準のメッセージングセキュリティを求める企業担当者の皆さんに、私たちの事業の魅力と可能性が伝わればうれしいです。

 現在、CMCが顧客企業に代わって配信している電子メールは、金融など各種のサービスにおける「絶対に届かなければならない」重要なメッセージです。まさに日本の社会インフラの一端を担っていることの証明だと考えています。これがなんと年間60億通を超えています。2025年9月は月に5.18億通ですので、年間に換算すると62.16億通にもなります。

 この60億通は、いわゆるマーケティングメールとは性質が異なります。メガバンクの認証コード、大手ゲーム会社のグローバルユーザーへの通知、保険会社の契約更新情報など、「絶対に届かなければならない一通」の積み重ねの総量です。私たちは、このミッションクリティカルなメッセージの確実なデリバリーに、創業から20年以上にわたりこだわり続けてきました。

Customers Mail Cloud(CMC)のサービス概要

 電子メールは、ウェブのHTTPと並び、50年以上にわたりインターネットを支え続ける、非常に強靭なプロトコルです。しかし、そのオープンな特性ゆえに、なりすましやフィッシング詐欺といったセキュリティの脅威に常にさらされています。現在、GoogleやMicrosoftといったプラットフォーマーは対策を厳格化しており、それに対応できないメールは届かない場合が出てきています。

 私たちの使命は、電子メールが犯罪行為に使われないようセキュリティ対策を徹底し、「オープンで誰でも使えるメッセージング基盤」を未来にわたって維持することです。過去の携帯電話のキャリアメール時代から現在に至るまで、HENNGEが培ってきたノウハウこそが、この60億通の信頼を支える基盤となっています。

フルマネージドと「解釈の力」で世界を動かす

 CMC事業の根幹にあるのは、電子メールのプロトコルであるSMTPと呼ぶ技術です。メールサーバーは世界中の無数のサーバーとつながる超分散型のシステムであり、私たちは、日本のキャリアはもちろん、ドイツやブラジルのプロバイダーまで、文字通り世界中のメールサーバーとリアルタイムで対話しています。

 この世界中のネットワークと協調しながら、HENNGEからHENNGEのサービスを使っていない地点までメッセージを送る。このスケールの大きさが、CMC事業の面白さです。

 この世界規模のメッセージングを確実に実現するための私たちの優位性は、フルマネージドというサービスの提供形態にあります。

 私たちのフルマネージドは、単にメールを送るプロダクトを提供するだけではありません。お客様が直面する「なぜメールが届かないのだろう?」という複雑な運用上の課題に対して、我々の専門家が国内キャリアからグローバルプラットフォームまですべてを調査し、解決まで導くという体制を構築しています。

 メールのプロトコルの技術仕様書であるRFCは一つなのですが、各メールベンダーはその仕様を異なる解釈で実装しているケースが少なくありません。例えば、なりすましメール対策技術であるDMARC(ディーマーク)の運用一つ取っても、実装の仕方に幅があります。

 我々のエンジニアは、この「解釈のズレを理解し、正しい実装へと導く力」を、プロの技として磨いています。この謎が解けて実装が動いた瞬間は、「なるほどね!」と、本当に大きな快感を覚えます。

 さらに、私たちは世界の電子メールベンダーが集まる最大コミュニティ「M3AAWG(マーグ:Messaging, Malware, and Mobile Anti-Abuse Working Group)」のイベントに定期的に参加しています。この場で、GoogleやMicrosoftのエンジニアと直接協議し、「未来の電子メールを一緒につくる」立場にあり、我々の技術力は、世界でも通用するものだと自負しています。

M3AAWG に参加し、グローバルのエンジニアと議論を交わしています。写真はカナダのトロント開催時

エンジニアが事業を創る、100億に次ぐ成長エンジン

 当社にはHENNGE Oneという100億円規模の大きなビジネスがありますが、我々は二桁億円の売り上げを目指すという成長フェーズにあります。こうした規模感や体制の違う2つのビジネスが社内にあることは非常に面白いと思っています。

 私は、過去のパッケージビジネスをクロージングし、新しいビジネスモデルへと変革する中でCMCを立ち上げました。その原動力は、エンタープライズ顧客の期待を決して裏切らないという使命感と、苦楽を共にした初期メンバーと一緒に仕事をしたいという情熱です。

 我々のパッケージを長らくご利用いただいていた国内大手銀行様との取り引きを、CMCにマイグレーションできたことは、この使命感が報われた瞬間でした。顧客との10年以上の長い信頼を、私たちはまた新たに担っていくことになります。

 私たちが大切にしているのは、高い専門性を持つスペシャリスト集団としての哲学で、特に3つのことを重視しています。

 1.行動量:とにかく動き、仮説を立て、失敗から学びのサイクルを回すこと。

 2.相互理解:世界中のサーバーや、異なる考えを持つ仲間と、お互いの価値観や事情を理解し、受け入れること。

 3.プロフェッショナル性:専門性を極め、世界のトップ企業からの期待と信頼に絶対に応えること。

 最後に、今後の挑戦と未来の仲間への期待についてお伝えします。

 電子メールは絶対になくなりませんが、私たちはそれ以外にもっと安全で便利なメッセージングのあり方を探求し続けたいと考えています。そして、このCMCというシードビジネスを、二桁億円へと共に成長させてくれる、やる気のある方を心から歓迎します。

 HENNGEの次なる成長エンジンを共に創り上げる、パッションを持ったスペシャリストの参画を期待しています。また、スペシャリストでなくとも、「ある特定の領域で第一任者になりたいというパッション」のある方、自身の技術を世界中のサーバとつながる超分散システムという巨大なフィールドで試したい方は、ぜひ私たちのチームに飛び込んでください。

 我々の技術と事業についてお話しさせていただきましたが、少しプライベートも共有させてください。

 私は缶コーヒーにこだわりがあります。あるメーカーさんの「挽きたて微糖」一筋で、常に持っています。頭を使う仕事なので、糖分を常に欲しています。ただし、健康診断は毎年クリアしています(笑)。私の趣味は料理で、 週末は家族に振る舞うのが楽しみです。料理は「完全にプロトコルとパラメーター」によりできており、材料や手順を改善し続けるのが面白いと思っています。

HENNGE 執行役員の大久保正博、メッセージングビジネス部門を統括している

《HENNGE株式会社》

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