NTTセキュリティ・ジャパン株式会社は3月10日、国内外のCTF(Capture The Flag)大会で活躍するチーム「BunkyoWesterns」とのスポンサー契約締結を発表した。
「BunkyoWesterns( https://bunkyowesterns.org/ )」は、国内外で高い評価を得るCTFチームで、CTFTime 2025では国内1位・世界9位の実績があり、日本を代表する若手セキュリティエンジニアが集うトップレベルのチームとして、国内外のコミュニティからの注目を集めている。
国際CTFの決勝ラウンドの多くが海外で開催されるため、若手セキュリティエンジニアにとって渡航費や滞在費が大きな負担となっているが、NTTセキュリティ・ジャパンではスポンサー契約を通じて、これらの課題を解消し、国内の若手セキュリティエンジニアが世界の舞台で力を発揮できるよう支援する。また、決勝ラウンドでの人的支援が必要となった場合には、同社エンジニアが補助的メンバーとして参加し、チームの挑戦を後押しする。
当該スポンサー契約は、日本のCTF支援形態の変化を示唆している。GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社や株式会社リチェルカセキュリティなど、CTF国際大会の渡航費を企業が負担する例は国内で増加傾向にあるが、基本は強い自社チームを持つ先進的企業や、CTFや脆弱性発見などを広義の研究開発と認める一部のセキュリティ企業や一部の大手SIerに限られていた。有志の混合チームの場合、自己負担で参加するケースも少なくないしそれは何ら間違ってもいない。
2000年代、DEF CON CTF等への参加は「個人の趣味」と見なされる向きが強かった。しかし近年、企業が「高度なセキュリティ技術者の在籍」や「そうした高度な技術者を育成できる環境を持つ組織であること」「優秀な技術者が離職しない魅力を持つ企業であること」などの間接的証明としてCTF等の成績を広報的に活用することで、支援予算を投じやすい土壌が整った。
今回のNTTセキュリティ・ジャパンのBunkyoWesternsとのスポンサー契約で特筆すべきは、「チーム全体」を支える形態だ。ブランドや社会的影響力を評価したということであり、関係性はモータースポーツのスポンサーシップに近い。
CTF世界大会の決勝レベルでは何らかの企業支援を受ける例が増えつつあるが、依然として「決勝進出」という成果が稟議の壁となっている。大手企業によるこうした組織的支援は、若手層の挑戦をさらに加速させる重要な一石となるだろう。
