事故報告で変わるか?バックアップテープの取扱い(1)マリオット・インターナショナルの系列会社がテープを紛失
昨年12月にマリオット・インターナショナルの系列会社から、約20万6000件の顧客情報の入ったバックアップテープが行方不明になっていると発表があった。
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漏洩元はマリオットホテルの関連会社で、タイムシェア部門のマリオット・バケーションクラブ・インターナショナルで、サーバーのバックアップテープ数本が11月中旬から行方不明だ。テープがフロリダ州オーランドの本社から盗難されたのか、あるいは単に紛失したのかはまだ分かっていない。
テープが行方不明になるケースでは、別のロケーションに向けクーリエなどで送付したはずが、届いていないというような、送付中の事件が多い。しかし、今回の事故はクーリエ会社や、オフサイトでデータ保管を行うデータ管理会社は関係ないとしている。
テープが行方不明になっていることが判明してから、マリオット・バケーションクラブは、サーバーの分析を行い、詳しくどの情報が入っていたかを調べた。結果、タイムシェアのオーナーや顧客、従業員の住所、社会保険番号、クレジットカード番号、そしてごく少数ではあるが口座情報も入っていたことが判明している。
徹底的な内部調査にもかかわらず、テープは今も行方不明のままだ。連邦および州政府とともに、財務省検察局にも連絡して現在調査中だ。また、情報漏洩被害者への通知を義務付ける、一部の州の規定に従い、漏洩被害を受ける可能性のある市民に通知を開始した。
さらにクレジットカード会社やその他金融機関にも連絡し、注意を呼びかけている。ウェブページも新たに用意して情報を提供、また特別にカスタマーリレーション担当者、およびフリーダイヤルを設置した。さらに希望者にはモニターサービスもオファーしている。これは、1年間無料で不正とみられる動きがないか監視するものだ。
今までのところ、情報を不正に使用されたなどという連絡は入っていないようだ。テープが行方不明になった場合の通知は、企業、組織側も必死で探した末に見つからない場合に行うことが多く、時間がかかることが多い。マリオットは1ヵ月少しでの通知は比較的早かったといえる。
対応もクレジットモニターサービスのオファーをはじめ、複数で行い、出来るだけの対応をしたという印象がある。マリオット・バケーションクラブはウェブサイトで、顧客データの保存に関する方針を見直し、絶対に必要な場合だけに行うようにするとの声明を発表した。
報道を受けて、カリフォルニアのテクノロジー・マーケティングでは、シーワールドに近いMarriott Grande Vistaのタイムシェアオーナーにインタビューしている。タイムシェアオーナーの多くは、情報漏洩事件については気付いていなかったようだ。テープが行方不明と聞いても驚きもしないという人もいた。それだけ個人情報漏洩事件が日常茶飯事的になってきているということだろう。
マリオット・バケーションクラブは米国のタイムシェア販売の大手で、年間売上高14億6000万ドル、52ヵ所以上のリゾートを所有する。
【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】
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