スマートフォン利用者はトラブル経験率が2倍、小中高生調査(デジタルアーツ) | ScanNetSecurity
2024.05.16(木)

スマートフォン利用者はトラブル経験率が2倍、小中高生調査(デジタルアーツ)

 デジタルアーツは12月7日、携帯電話の新規購入や機種変更の進むクリスマスシーズンを前に、「スマートフォン普及で未成年に迫る携帯トラブルの最新事情」と題した記者発表会を開催した。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
未成年代表、綾乃美花さん
未成年代表、綾乃美花さん 全 13 枚 拡大写真
 フィルタリングソフトを提供するデジタルアーツは12月7日、携帯電話の新規購入や機種変更の進むクリスマスシーズンを前に、「スマートフォン普及で未成年に迫る携帯トラブルの最新事情」と題した記者発表会を開催した。

 デジタルアーツは、家庭向けフィルタリングソフト「i-フィルター6.0」を展開しているが、「多くの人にインターネットの危険性を理解してもらい、フィルタリングソフト導入への意識を高めてほしい」と、9日からはTVCMもスタートする。記者発表会では、CMに起用された現役高校生であり、ミスマガジン準グランプリに選ばれた綾乃美花さんのトークセッションも行われた。

◆ネットトラブル対策は家庭内でルールをつくること

 最初に、財団法人インターネット協会 副理事長 國分明男氏より、携帯トラブルの最新情報について発表があった。

 「子供のネット・ケータイトラブルの現状について」(東京都)によると、東京こどもネット・ケータイヘルプデスクに寄せられる相談は383件中、中学3年生66件、中学2年生64件、高校2年生51件で、青少年の相談が約3分の1を占めている。小学生は少ないものの、6年生になると急増し30件となる。

 ネットでよくあるトラブルは、架空請求が149件(27%)で断トツの1位。第2位は、自分で書いた書き込みの削除方法がわからない(52件 12%)、第3位スパム・迷惑メール(41件 8%)となった。その他、ネットいじめや名誉棄損、交際もあがった。

 事例として、サイト利用時に、登録のために空メールを送信するという指示に従うと、架空請求メールが送られてくるというケースが紹介された。子どもは親に相談できず、高額な料金を払ったうえ、親のクレジットカード番号も業者に知らせてしまったという例である。

 最近の傾向としては、規制強化によって出会い系サイトからのトラブルは減少したが、代わりにコミュニティサイトからの被害が増えていることである。

 対策として「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が平成20年に成立し、18歳未満の子どもに携帯電話を使用させる場合は、フィルタリングソフトを入れることが奨励されている。

 しかし、これだけでは不十分である。

 國分氏は、「各家庭で携帯電話のルールを作ること」を強調する。特に「使い始めるとき」が効果的だという。ルールを決めるときの注意点として、以下の3点があげられた。

1.小さくて具体的で守りやすいルールであること。
 たとえば、「使用時間は一日○時間まで」「プロフやブログに個人が特定できる情報を書かない」など。

2.子ども自信にルールを宣言させる。
 親から一方的に押し付けたのでは効果が少ない。

3.ルールを二重構造にしておく。
 守れなかった場合のルールも決めておく。

◆ネットトラブルにあった割合はスマホ所有者が倍~小中高生1,200人のケータイ事情

 次に、デジタルアーツ 経営企画室 広報・コーポレートマーケティング担当 吉田明子氏より、携帯電話を使用している小中高校生1,200人を対象にインターネットで行った調査結果の発表があった。

 現在の小中高生のうちスマートフォン(以下、スマホ)を使用しているのは全体で14.4%。高校生だけで見ると26.5%である。昨年の数字と比べるとほぼ倍増している。また、今後については、約8割が使用したいと答えている。短期間での急増が予想される。

 スマホ所有者の利用アプリは、ゲームが75.4%と1位。以下、趣味41.1%、SNS40.6%と続く。高校生だけで見ると、趣味、SNSの割合が高まるが、小中学生ではゲームが飛び抜けて多い。

 携帯電話使用における家庭内ルールについては、中学生以下では8割がルールがあると答えているが、高校生では30.8%と激減する。

 フィルタリングソフトは、全体では40.6%が利用している。小中高別で見ると、高校生がもっとも低く35.7%となる。またスマホ所有者はスマホ非保有者よりも利用率が低い。

 インターネットトラブルは、10.8%が経験している。小学生、中学生ではそれぞれ2.7%、6.8%とわずかだが、高校生では23.3%。ほぼ4人に1人が経験していることになる。スマホ所有者と非所有者では、18.5%と9.5%という結果となり、ほぼ2倍の開きがある。

 有害サイトを閲覧したことがある人は40.9%。高校生では約74%に上る(違法の音楽や動画サイトも含む)。スマホ所有者と非所有者では、63.5%と37.1%と、大きな開きがある。これは、スマホのほうが従来の携帯電話より容易にインターネットにアクセスできるためと考えられる。

 4人に1人がインターネットで知り合った友人がいるという結果も出ている(26/1%)。さらにそのうちの4人に1人は「1人で会いに行った」と答えている。特に高校生女子にその傾向が強い(38.5%)。スマホ所有者は非所有者に比べ割合が高いという結果も出ている(所有34.5%、非所有25.0%)。

◆未成年代表、綾乃美花さんがi-フィルターCMキャラに起用

 スマホは今後急増していくと考えられ、保護者の意識や対応の遅れが気になるところである。デジタルアーツでは、保護者たちの意識改革が急務と考え、未成年代表として綾乃美花さんをCMキャラクターに起用し、TVCMによるキャンペーンを開始する。

 記者発表会の最後に、9日よりオンエアされる家庭向けフィルタリングソフト「i-フィルター6.0」のTVCMのお披露目があり、綾乃美花さんのトークセッションが行われた。

 綾乃さんにとってはこれが初めてのCM。スマホユーザーでもある綾乃さんは、高校生の4人に1人がネットトラブルにあっているという調査結果に驚いていたが、未成年代表としてインターネットを安全に楽しむために、i-フィルターの普及に貢献したいと意欲を見せた。

小中高生1,200人のケータイ事情…スマホ普及で急増するネットトラブル

《石井 栄子@リセマム》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 範を示す ~ MITRE がサイバー攻撃被害公表

    範を示す ~ MITRE がサイバー攻撃被害公表

  2. 脆弱な DMARC セキュリティ・ポリシーを悪用、北朝鮮スピアフィッシング詐欺

    脆弱な DMARC セキュリティ・ポリシーを悪用、北朝鮮スピアフィッシング詐欺

  3. 東急のネットワークに不正アクセス、連結子会社のファイルサーバでデータ読み出される

    東急のネットワークに不正アクセス、連結子会社のファイルサーバでデータ読み出される

  4. 東京メトロ社員が遺失者になりすまし、現金総額 235,458円 ほか遺失物着服

    東京メトロ社員が遺失者になりすまし、現金総額 235,458円 ほか遺失物着服

  5. 「マルカワみそ公式サイト」に不正アクセス、カード情報に加えログイン用パスワードも漏えい

    「マルカワみそ公式サイト」に不正アクセス、カード情報に加えログイン用パスワードも漏えい

  6. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  7. TwoFive メールセキュリティ Blog 第14回「いよいよ6月、メルマガが届かなくなる…!? ~ メルマガ配信している皆さん ワンクリック購読解除の List Unsubscribe対応は済んでますか?」

    TwoFive メールセキュリティ Blog 第14回「いよいよ6月、メルマガが届かなくなる…!? ~ メルマガ配信している皆さん ワンクリック購読解除の List Unsubscribe対応は済んでますか?」

  8. テレ東「ヤギと大悟」公式 X アカウントが乗っ取り被害、意図しないポストが数件行われる

    テレ東「ヤギと大悟」公式 X アカウントが乗っ取り被害、意図しないポストが数件行われる

  9. ランサムウェア「LockBit」被疑者の資産を凍結し起訴

    ランサムウェア「LockBit」被疑者の資産を凍結し起訴

  10. 豊島のサーバにランサムウェア攻撃、復旧済みで業務に影響なし

    豊島のサーバにランサムウェア攻撃、復旧済みで業務に影響なし

ランキングをもっと見る