「危機管理産業展2012」開催、消防庁による災害救助用走行ロボットのデモンストレーションも(後編) | ScanNetSecurity
2026.10.28(水)

「危機管理産業展2012」開催、消防庁による災害救助用走行ロボットのデモンストレーションも(後編)

 SEECATでは、水難被害者などを探索できるユニークな水中ロボットなども数多く展示されていた。たとえば東陽テクニカは米国の汎用遠隔操作水中ロボット「SEAMOR ROV」や水中偵察ロボット「Seaglider」などを出展。いずれも東日本大震災で実際に投入されたものだ。

研修・セミナー・カンファレンス セミナー・イベント
三菱特機システムズの災害対策ロボット「FRIGO-M」の最新モデル
三菱特機システムズの災害対策ロボット「FRIGO-M」の最新モデル 全 9 枚 拡大写真
■水中や陸上で活躍する災害対策ロボットも出展

 東京ビッグサイトにて開催された「危機管理産業展2012」(RISCON TOKYO)と、併催の「テロ対策特殊装備展'12」(SEECAT)では、普段お目にかかれない危機管理に関するさまざな製品やソリューションが展示されていた。

 SEECATでは、水難被害者などを探索できるユニークな水中ロボットなども数多く展示されていた。たとえば東陽テクニカは米国の汎用遠隔操作水中ロボット「SEAMOR ROV」や水中偵察ロボット「Seaglider」などを出展。いずれも東日本大震災で実際に投入されたものだ。

 SEAMOR ROVは、オープンフレーム構造でカスタマイズが可能なROV(Remotely operated vehicle)だ。端的にいうと、移動式の水中カメラのようなもので、テザー(ケーブル)経由で映像を地上に送り、水中の様子を探ることができる。SEAMOR ROVには水深300m/600mのタイプがあり、高解像度光学カメラ、自動追尾式照明などを装備、また東陽テクニカが扱う特殊な水中音響カメラなどもオプションで取り付けられる。

 同様のROVとして、日本海洋ではSARbotix社の「SARbot」や「LBV-150/200」を紹介していた。SARbotはイギリスの消防レスキューチームと共同開発したもので、小型・強力な本体をベースに、マルチビームソナーや大型グラバー(ハンド)などを装備。グラバーで把持した捜索物を、強度100kgのケーブルで引っ張っりながら手繰り寄せられる。LBV-150/200は、SARbotよりもさらに小さなROVだ。前後、上下、左右に計4基のスラスター(推進器)を備え、水深150m~200mぐらいまで潜って水中を探査できる。

 またコデンは、GPS・ソナー搭載の自立航行無線リモコンボートを紹介していた。有人ボートでは近づけない浅瀬や危険水域への測量・調査が行なえるリモコンボートで、水深範囲0.5m~80m、操船範囲800mまでに対応し、航行ルートをプログラミングできる。水中・水上カメラでリアルタイムに映像を取得できるだけでなく、ソナーからのデータを3Dで処理することも可能。基地局との通信が途絶えたり、バッテリー残量が少なくなった場合には、電源を入れた地点に自動回帰するので安心だ。

 消防庁では、後述のトピー工業と共同開発した災害救助用走行ロボットのデモンストレーションや、NBC災害に対応できる各種測定機を陳列していた。災害救助用走行ロボットは、外形がW480×L950×H430mm、重量20kgと小型軽量で、隊員が現場にロボットを一人で持ち運んで、災害時に狭小範囲での初期探査で活用できる。光学ズーム21倍(デジタル2倍)のPTZカメラ、高輝度LED照明を搭載。本体はIP67構造で、水深1mに沈めても機能に障害が生じない防水性能を備えている。

 またNBC災害用の各種測定機としては、核物質によるN災害用の放射線測定機、細菌やウイルスなどバイオテロのB災害に対応する携帯式生物剤検知器、化学物質に起因するC災害用のガス検知器や赤外線分析装置、質量分析装置などを紹介していた。

 このほかに三菱特機システムズの災害対策ロボット「FRIGO-M」の最新モデルもあった。無線/有線でロボットを遠隔操作し、危険な災害現場の映像・ガス温度・放射線などを調査・伝送できる。総務省消防庁に納品済みの製品だ。

 トピー工業では福島原発内に投入された災害対策ロボットや床下点検ロボットを紹介していた。「Survey Runner」は、同社のクローラー走行システムを再構築し、階段昇降が可能な移動モジュールを小型化したロボット。角度45度、幅70cmの濡れた階段でも確実に昇降できる走破性を備える。ただし、格納容器下部の圧力抑制プールを収納するトーラス室を調査した際にトラブルが発生し、現在はロボットの回収不能となっている。いま新しいロボットを投入すべく準備を進めているそうだ。

 一方の床下点検ロボット「Anie s90」は、従来機の機能を踏襲しながらコストを抑えたタイプで、直径37mm以上の配管上も走向できるアシストベルトを採用。周りの障害物をミリ単位で検知できる機能を備える。スケール表示機能によって、コンクリートの亀裂などを測定したり、EXCELと連動して撮影した一連の写真を貼り付けて報告書をすばやく作成できるソフトウェアも付属している。

津波・核シェルター、災害対策ロボットも展示……「危機管理産業展2012」(後編)

《井上猛雄@RBB TODAY》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. リゾートトラストのウェブサイトに不正アクセス、約 26,000件の会員情報が漏えい

    リゾートトラストのウェブサイトに不正アクセス、約 26,000件の会員情報が漏えい

  2. 楽天モバイルで支払い証明書が第三者に閲覧される可能性、脆弱性診断テストで判明

    楽天モバイルで支払い証明書が第三者に閲覧される可能性、脆弱性診断テストで判明

  3. 「タイムズカー」への不正アクセス、本人確認書類画像データが漏えいした顧客に 3,000円相当を見舞いとして支払い

    「タイムズカー」への不正アクセス、本人確認書類画像データが漏えいした顧客に 3,000円相当を見舞いとして支払い

  4. Microsoft Defender におけるアップデート処理の妨害によりサービス停止が可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

    Microsoft Defender におけるアップデート処理の妨害によりサービス停止が可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

  5. 「焼肉きんぐ」公式アプリ会員管理システムに不正アクセス、1,078万8,963件の個人情報が漏えい

    「焼肉きんぐ」公式アプリ会員管理システムに不正アクセス、1,078万8,963件の個人情報が漏えい

ランキングをもっと見る
PageTop