地域ごとに異なるサイバー攻撃の特徴--「サイバー世界大戦」レポート(ファイア・アイ) | ScanNetSecurity
2024.05.11(土)

地域ごとに異なるサイバー攻撃の特徴--「サイバー世界大戦」レポート(ファイア・アイ)

ファイア・アイは、各国政府が実施しているサイバー攻撃の世界的および地域的な特徴について解説したレポート「サイバー世界大戦: 国家レベルの高度なサイバー攻撃の背景を理解する」の日本語版を公開した。

調査・レポート・白書・ガイドライン 調査・ホワイトペーパー
レポート「サイバー世界大戦: 国家レベルの高度なサイバー攻撃の背景を理解する」
レポート「サイバー世界大戦: 国家レベルの高度なサイバー攻撃の背景を理解する」 全 2 枚 拡大写真
ファイア・アイ株式会社は12月16日、各国政府が実施しているサイバー攻撃の世界的および地域的な特徴について解説したレポート「サイバー世界大戦: 国家レベルの高度なサイバー攻撃の背景を理解する」の日本語版を公開した。FireEyeの上級グローバル脅威分析担当者であるケネス・ギーア氏は「サイバー攻撃は、現実世界における争いを有利に運ぶための武器として実際に使用されている。世界はすでにサイバー戦争に突入しており、国家によるサイバー攻撃は平時でも行われ、地政学上の短期的な目標を達成するために実施される場合もあれば、将来的な攻撃に備えた下準備として実施されることもある」と述べている。

さらに、これらのサイバー攻撃には地域ごとに異なる特徴があるため、各地域の地政学的な状況理解が防御の鍵となるとしている。レポートによると、アジア太平洋地域では「コメント・クルー(Comment Crew)」などの大規模な官製ハッカー集団の拠点が存在し、「人海戦術」による大規模な攻撃を執拗に繰り返す特徴がある。ロシア・東欧では、サイバー攻撃が技術的に高度で検出を免れる能力に優れている。中東の攻撃者は創造性や策略、ソーシャル・エンジニアリングを駆使してユーザをだまし、そのコンピュータに侵入する。米国は最も巧妙で用意周到なサイバー攻撃が行われており、高い精度でターゲットを狙い撃ちする。

またレポートでは、世界のサイバーセキュリティの動向に短中期的な変化をもたらす可能性がある要因として、以下を挙げている。

・サイバー攻撃による基盤インフラの機能停止。サイバー攻撃の威力を攻撃者自身に再認識させる可能性がある。
・サイバー攻撃の実施を抑制するサイバー兵器条約の締結
・PRISM問題に端を発するプライバシーへの懸念。国家レベルのサイバー攻撃が米国ないし世界規模で抑制される可能性がある
・ブラジルやポーランド、台湾をはじめとする、サイバースペースにおける新興国の台頭
・セキュリティ対策をすり抜けるための検出回避技術の開発強化

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

    護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

  2. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  3. デジサートのEV証明書の記載フォーマットに誤り、再発行とサーバへの入れ替え呼びかけ

    デジサートのEV証明書の記載フォーマットに誤り、再発行とサーバへの入れ替え呼びかけ

  4. 社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

    社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

  5. Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

    Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

  6. テレビ宮崎グループ会社にランサムウェア攻撃、請求書発行システムを停止

    テレビ宮崎グループ会社にランサムウェア攻撃、請求書発行システムを停止

  7. 豊島のサーバにランサムウェア攻撃、復旧済みで業務に影響なし

    豊島のサーバにランサムウェア攻撃、復旧済みで業務に影響なし

  8. 「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

    「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

  9. 経団連、個人情報保護法に基づく漏えい報告や本人通知にリソースを割く現状を問題視

    経団連、個人情報保護法に基づく漏えい報告や本人通知にリソースを割く現状を問題視

  10. 北 中華製AIを攻撃活用/北 DMARC不正利用/北 日本のアニメ制作関与か ほか [Scan PREMIUM Monthly Executive Summary 2024年4月度]

    北 中華製AIを攻撃活用/北 DMARC不正利用/北 日本のアニメ制作関与か ほか [Scan PREMIUM Monthly Executive Summary 2024年4月度]

ランキングをもっと見る