CODE BLUE 第 2 回の舞台裏を聞く~ BLUE 篠田佳奈氏インタビュー | ScanNetSecurity
2020.02.23(日)

CODE BLUE 第 2 回の舞台裏を聞く~ BLUE 篠田佳奈氏インタビュー

CODE BLUEが海外の面白いカンファレンスの1つとして認識され、「思い出してもらえるカンファレンス」になったことが、すごく嬉しいです。

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「思い出してもらえるカンファレンスになったことが、すごく嬉しい」  CODE BLUE 事務局 篠田 佳奈 氏
「思い出してもらえるカンファレンスになったことが、すごく嬉しい」 CODE BLUE 事務局 篠田 佳奈 氏 全 4 枚 拡大写真
2014年12月18日・19日に開催された情報セキュリティカンファレンス「CODE BLUE」。世界各国のスペシャリストを招いての同カンファレンスには、前回を上回る430名近くが来場し、初開催と比べてインパクトが薄れがちな2回目のジンクスを乗り越え、大きな成功を収めた。そんなCODE BLUEを裏で支える事務局の篠田 佳奈 氏は、今回の成果についてどう感じているのか。その手応えや今後の展望について話を聞いた。


――オープニングで登壇されたとき、初開催のときよりもリラックスしたように見えました。

あのときはとても疲れていて、いろんなものが削ぎ落ちていたから、そう見えたのかも(笑)。でも、精神的な意味では1回目よりも少し気持ちがほぐれていたかもしれません。

――第2回が終わって、篠田さんご自身は成功と感じていますか。

そうですね。2回目というのは、どうしても1回目と比べてインパクトが薄くなるので、メディアでも取り上げられにくく、CFPも来場者も集まりづらいという実情があります。それが蓋を開けてみると、来場者は昨年を上回る人数となりました。技術の話は難しいからと二の足を踏んでいた人も来場してくれたと耳にしたときは、とても嬉しかったです。NHKやWired含むメディアでも大々的に取り上げられたことも、大きな成果と感じています。

また、講演者にも恵まれました。CFP(論文募集)には40数件の応募があり、どれも粒ぞろいで選考は大変でした。最終的には15名の招待が決まったのですが、プレゼン型講演会「TED」で2014年の最有力スピーカーに選ばれたケレン・エラザリ氏や、「Kaspersky Security Analyst Summit」で優秀スピーカーのトップ3に入るデイヴィッド・ジャコビィ氏など、そうそうたるメンバーが来日してくれました。

物理セキュリティのリスクについて講演したインバー・ラズ氏は、会場内の物理セキュリティを暴くという即興を披露し、会場を沸かせました。さらに、Googleのぜい弱性報告プログラムのランキング「0x0A List」でバグ報告者のトップ3に入るキヌガワ・マサト氏は、バグハンターの生き方を語りました。キヌガワ氏のような内容の講演は、他の国際会議を見ても初めてだと思います。いずれも人気の高い講演でした。

――こうやって振り返ると、本当にすごいメンバーが一堂に会したのですね。

CODE BLUEに携わってから1年半ほど経ちますが、ずっとラッキーが続いている感じです。CODE BLUE実行委員や論文のレビュアー陣も第一線で活躍する人たちですし、第1回からBlack HatやDEFCON主催者のジェフ・モスが来日しましたし、CFPの呼びかけに多くの応募が集まりました。

――今回、特に注力したことはありますか。

今回は運営でさまざまな取り組みを行いました。たとえば、事務局スタッフや外注を増員し、一般へリーチするための記者向け勉強会も開催しました。

あとは、今回初の試みで学生ボランティアも募集しました。実は、以前から学生を何らかの形で巻き込みたいなとずっと考えていました。学生割引がいいのか、学生向けセッションを設けるのか。ずっと迷っていたのですが、ふと「Black Hat」を思い出したんです。Black Hatでは学生ボランティアを募集していて、学生たちは裏方作業を手伝う代わりに無料で講演を聴講でき、業界トップの人たちとネットワーキングする機会が与えらえます。それをCODE BLUEでもやってみたいと思ったんです。

実際、参加した学生ボランティアからは良い経験ができたという声をたくさん聞くことができました。中には、海外の研究者に積極的に話しかけている学生もいました。あと、学生間のつながりを持てたことも良かったようです。

学生ボランティアに興味を持たれた方は、私を見かけたら、どこでもいいのでぜひ声をかけてください!

――講演者からは何かフィードバックがありましたか。

海外の講演者全員から、「日本に来るのが夢だった!」と言われました(笑)。あとは、CODE BLUEの講演者への対応についても喜ばれました。たとえば、連絡の取り方やサポートはもちろんですが、講演者の宿泊先の部屋にウェルカムカードを添えたフルーツプレートを用意したり、カンファレンスの日付と講演者の名前を刻印したグラスをプレゼントしたのも喜んでくれました。

ウェルカムカードは、初来日の方に安心していただくためで、フルーツはお腹を空かせている人が多いので用意しました。ちなみに、今回は和菓子でした。

カンファレンスはさまざまな人で支えられており、講演者、スポンサー、運営の誰が欠けても成り立ちません。ですが、その中で最も重要なのは講演者だと私は考えます。そもそも彼らがいなければカンファレンス自体が存在しないわけですから。そんな講演者に対して、来場者に代わって感謝を伝えたい。そんな気持ちを、ウェルカムカードやグラスのプレゼントなどの形にしてお渡ししました。

――海外からの評価はいかがですか。

折に触れてCODE BLUEを思い出してもらえるとき、評価されていると感じます。何か新しいことを発見したとき、「じゃあCODE BLUEで話してよ」とか「CODE BLUEで取り上げられないかな」とか、会話の中で出てくるんです。CODE BLUEが海外の面白いカンファレンスの1つとして認識され、「思い出してもらえるカンファレンス」になったことが、すごく嬉しいです。

最近は、一緒に何かやらないかと声かけられることも増えました。また、トレーニングもやってほしいなど、いろんなアイディアもいただきます。既存のスキームに拘らず、さまざまなチャレンジをしていきたいと思っています。

――第3回の開催予定について教えてください。

第3回は、今年の秋か冬を考えており、現在会場を探しているところです。開催時期を決めるのは、結構難しいんです。たとえば、11月と12月は感謝祭とクリスマスシーズンで海外の講演者と連絡が取りづらくなるので避けたいですね。あと、他の国際会議ともかぶらない時期を探す必要があります。発表はまだ先ですが、期待してください。

《谷崎 朋子》

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