Clavister社と提携、UTMアプライアンスやIoT対応など多彩に展開予定(キヤノンITS、Clavister) | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

Clavister社と提携、UTMアプライアンスやIoT対応など多彩に展開予定(キヤノンITS、Clavister)

キヤノンITSは、都内スウェーデン大使館で記者発表会を開催、スウェーデンのClavister AB社と販売代理店契約を締結したと発表した。第1弾として、日本市場のニーズを取り入れた次世代ファイアウォール製品の販売を11月上旬より開始する。

製品・サービス・業界動向 新製品・新サービス
駐日大使であるマグヌス・ローバック氏
駐日大使であるマグヌス・ローバック氏 全 7 枚 拡大写真
キヤノンITソリューションズ株式会社(キヤノンITS)は10月6日、都内スウェーデン大使館で記者発表会を開催、スウェーデンのClavister AB社と販売代理店契約を締結したと発表した。第1弾として、日本市場のニーズを取り入れた次世代ファイアウォール製品の販売を11月上旬より開始する。発表に先立ち、同館の駐日大使であるマグヌス・ローバック氏は前日のノーベル賞の発表に触れ、「日本とスウェーデンは科学技術をはじめとする長い交流の歴史があり、日本人のノーベル賞受賞をホスト国としても非常に喜ばしく思っている。今日も、Clavister社とキヤノンITSのパートナーシップという非常に重要な発表がある。両社ともクレバーな会社であるため、今後のインターネットセキュリティに大いに貢献することと期待している」と述べた。

キヤノンITSのセキュリティソリューション事業部長である近藤伸也氏は、キヤノンITSを「キヤノンが100%出資するSE集団であり、SI、ITサービス、エンベデッド、プロダクトの4つを担当し、企画、営業、研究開発、サポートをワンストップで提供できる会社」であるとし、セキュリティソリューション事業では、製品を自社で開発するほか、海外製品は日本市場に合わせてローカライズし、国内製品は知見に基づく付加価値をつけて提供する、特にコンシューマからエンタープライズまで対応する充実したサポート体制が特長であるとした。これらによりUTMの出荷台数の伸び率は国内全体よりも高いという。

続いて、Clavister社のCEOであるジム・カールソン氏がClavister社について説明した。1997年に設立された同社はネットワークセキュリティにフォーカスしており、グローバルに展開、25.000社の導入実績と185,000のインストール実績があるという。またグローバルのサイバーセキュリティ市場は急拡大しており、2020年には1,700万ドル規模になると予測されており、その背景にはハッキングや情報漏えい事件がある。日本でも2013年は128億件のサイバー攻撃を受けた。「セキュリティは破られる」とFBIのデヴィッド・トーマス氏が言っているが、そうした状況の中でClavisterはEU諸国に最高レベルのセキュリティ対策を提供しているとした。

またカールソン氏はClavister製品の特長として、「バックドアがないこと」と「政府や政治団体との関係がないこと」「自社で一から独自開発、実装していること」「非常に高性能であること」「ソフトウェア中心でベンダロックがないこと」「他社製品と比較して25倍以上のコスト効率」「フットプリントが小さいためIoT機器にも有効であること」など挙げ、スウェーデンではイケアやエリクソン、Skype、SAABなど多くの企業が採用しているとした。さらに、日本は重要な市場であり、大手SIであり戦略も合致するキヤノンITSと組むことで広く展開していきたいと述べた。

キヤノンITSのセキュリティソリューション事業部の営業部長である崎山秀文氏は、新製品と今後のビジネス展開について説明した。崎山氏はキヤノンITSの特長として「メーカーであり販社でありSIerであり、ソリューション提案やサービス提供も行い、日本のセキュリティソリューション市場を熟知している」ことを挙げた。さらにClavisterの特長として「LinuxやOSSを使用しない完全独自開発」を挙げ、これによりフットプリント11MBという軽量さ、不要なプロセス処理がないことによる高速性、脆弱性の少ない堅牢性といったメリットがあるとした。

また、アプライアンス、仮想アプライアンス、UTMファームウェアのOEM供給と、3つの供給形態があることを説明、これを活かし、キヤノンITSでは今後「IoTへの組み込み提案」「仮想製品・OEM販売」「アプライアンス製品の販売」で展開していくとした。さらにアプライアンス製品として「Clavister E80」を紹介した。同製品はアンチウイルス、アンチスパム、ファイアウォール、IDP、Webコンテンツフィルター、アプリケーション制御、IPSec VPN、SSL VPNを搭載するUTMで、11月より販売予定。参考価格としてUTMライセンス1年付属版が210,000円、5年付属版が420,000円(ともに税別)を示した。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  2. 訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

    訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

  3. 社員のセキュリティ意欲高める施策とは? 罰則は逆効果 ~ プルーフポイント「2024 State of the Phish」日本語版公表

    社員のセキュリティ意欲高める施策とは? 罰則は逆効果 ~ プルーフポイント「2024 State of the Phish」日本語版公表

  4. LINEヤフー委託先への不正アクセス、報告書を受け 2 度目の行政指導

    LINEヤフー委託先への不正アクセス、報告書を受け 2 度目の行政指導

  5. スペシャリスト集結! マネーフォワード・ラック・富士ソフト・電通総研から学ぶ、脆弱性診断内製化の成功法則とは? AeyeScan 導入企業との公開対談

    スペシャリスト集結! マネーフォワード・ラック・富士ソフト・電通総研から学ぶ、脆弱性診断内製化の成功法則とは? AeyeScan 導入企業との公開対談PR

  6. タカラベルモントの海外向けウェブサイトのサーバがフィッシングメール送信の踏み台に

    タカラベルモントの海外向けウェブサイトのサーバがフィッシングメール送信の踏み台に

  7. 情報処理学会、高等学校情報科の全教科書の用語リスト公開

    情報処理学会、高等学校情報科の全教科書の用語リスト公開

  8. 国内カード発行会社のドメイン毎の DMARC 設定率 36.2%「キャッシュレスセキュリティレポート(2023年10-12月版)」公表

    国内カード発行会社のドメイン毎の DMARC 設定率 36.2%「キャッシュレスセキュリティレポート(2023年10-12月版)」公表

  9. Acompany で 4 件の Google フォーム誤設定、最大 164 名の個人情報が閲覧可能に

    Acompany で 4 件の Google フォーム誤設定、最大 164 名の個人情報が閲覧可能に

  10. LINE client for iOS にサーバ証明書の検証不備の脆弱性

    LINE client for iOS にサーバ証明書の検証不備の脆弱性

ランキングをもっと見る