IoT機器向けに、TLSでの認証時間を1/5にする技術を産学で開発(富士通研究所) | ScanNetSecurity
2025.12.09(火)

IoT機器向けに、TLSでの認証時間を1/5にする技術を産学で開発(富士通研究所)

富士通研究所は、東京大学、東邦大学と共同で、IoT機器向けにPCなどで広く用いられる公開鍵暗号を利用した暗号通信方式TLSの認証処理時間を、同等の暗号強度をもつ従来方式と比較して約5分の1に短縮する認証技術を開発した。

製品・サービス・業界動向 業界動向
開発技術の適用領域
開発技術の適用領域 全 2 枚 拡大写真
株式会社富士通研究所は1月19日、国立大学法人東京大学(東京大学)、学校法人東邦大学(東邦大学)と共同で、IoT機器向けにPCなどで広く用いられる公開鍵暗号を利用した暗号通信方式TLSの認証処理時間を、同等の暗号強度をもつ従来方式と比較して約5分の1に短縮する認証技術を開発したと発表した。核となる認証付き鍵交換方式の処理負荷を軽減し、さらに演算処理を高速化することでTLSへ組み込み可能な認証技術を開発したという。

今回、実現する機能をTLSに必要な認証と鍵交換に限定し、処理量の少ない認証付き鍵交換方式を導入するとともに、最初にIDを通知する仕組みを考案して効率的な通信手順を実現した。IDベース暗号における効率の良い認証付き鍵交換方式をTLSに適用するのは世界初となる。また、鍵交換処理において、類似した演算が何度も行われることが分かったことから、これらをまとめて実行可能にする方式を考案し、IDベース暗号における鍵交換処理の高速化を実現した。今後は、富士通研究所は2017年度の実用化を目指し、東邦大学とともに本技術を適用したIEEE 1888通信ソフトウェアをGUTP参加団体へ提供、適用拡大を図るとしている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 伊予銀行の再委託先で使用していたローレルバンクマシン提供のクラウドサービスに身代金要求を伴う不正アクセス

    伊予銀行の再委託先で使用していたローレルバンクマシン提供のクラウドサービスに身代金要求を伴う不正アクセス

  2. バッファロー製 Wi-Fiルータ「WSR-1800AX4シリーズ」に強度が不十分なパスワードハッシュの使用の脆弱性

    バッファロー製 Wi-Fiルータ「WSR-1800AX4シリーズ」に強度が不十分なパスワードハッシュの使用の脆弱性

  3. 良知経営に不正アクセス、企業情報及び個人情報が流出した可能性

    良知経営に不正アクセス、企業情報及び個人情報が流出した可能性

  4. 大企業における VPN 時代の終焉ほか ~ Zscaler 2026年サイバーセキュリティトレンド

    大企業における VPN 時代の終焉ほか ~ Zscaler 2026年サイバーセキュリティトレンド

  5. 期限警告 金銭未払 情報漏えい ~ 迷惑メール「HEUR:Hoax.Script.Scaremail」が受信者を脅しそして煽る 5 つのパターン

    期限警告 金銭未払 情報漏えい ~ 迷惑メール「HEUR:Hoax.Script.Scaremail」が受信者を脅しそして煽る 5 つのパターン

ランキングをもっと見る
PageTop