IoT機器向けに、TLSでの認証時間を1/5にする技術を産学で開発(富士通研究所) | ScanNetSecurity
2025.10.04(土)

IoT機器向けに、TLSでの認証時間を1/5にする技術を産学で開発(富士通研究所)

富士通研究所は、東京大学、東邦大学と共同で、IoT機器向けにPCなどで広く用いられる公開鍵暗号を利用した暗号通信方式TLSの認証処理時間を、同等の暗号強度をもつ従来方式と比較して約5分の1に短縮する認証技術を開発した。

製品・サービス・業界動向 業界動向
開発技術の適用領域
開発技術の適用領域 全 2 枚 拡大写真
株式会社富士通研究所は1月19日、国立大学法人東京大学(東京大学)、学校法人東邦大学(東邦大学)と共同で、IoT機器向けにPCなどで広く用いられる公開鍵暗号を利用した暗号通信方式TLSの認証処理時間を、同等の暗号強度をもつ従来方式と比較して約5分の1に短縮する認証技術を開発したと発表した。核となる認証付き鍵交換方式の処理負荷を軽減し、さらに演算処理を高速化することでTLSへ組み込み可能な認証技術を開発したという。

今回、実現する機能をTLSに必要な認証と鍵交換に限定し、処理量の少ない認証付き鍵交換方式を導入するとともに、最初にIDを通知する仕組みを考案して効率的な通信手順を実現した。IDベース暗号における効率の良い認証付き鍵交換方式をTLSに適用するのは世界初となる。また、鍵交換処理において、類似した演算が何度も行われることが分かったことから、これらをまとめて実行可能にする方式を考案し、IDベース暗号における鍵交換処理の高速化を実現した。今後は、富士通研究所は2017年度の実用化を目指し、東邦大学とともに本技術を適用したIEEE 1888通信ソフトウェアをGUTP参加団体へ提供、適用拡大を図るとしている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 業務目的外でパソコンを利用中に詐欺サイトに接続 ~ 委託事業者パソナの従業員

    業務目的外でパソコンを利用中に詐欺サイトに接続 ~ 委託事業者パソナの従業員

  2. ガートナー、2025 年版の日本におけるセキュリティのハイプ・サイクル発表

    ガートナー、2025 年版の日本におけるセキュリティのハイプ・サイクル発表

  3. 諭旨解雇処分 ~ 電気通信大学 准教授 共同研究先の企業に秘密を漏えい

    諭旨解雇処分 ~ 電気通信大学 准教授 共同研究先の企業に秘密を漏えい

  4. Microsoft が土壇場で譲歩 欧州 Windows 10 ユーザーだけに猶予措置

    Microsoft が土壇場で譲歩 欧州 Windows 10 ユーザーだけに猶予措置

  5. パソナの派遣社員が独立行政法人に関する情報を不正に持ち出し、削除の要請にも応じず

    パソナの派遣社員が独立行政法人に関する情報を不正に持ち出し、削除の要請にも応じず

ランキングをもっと見る
PageTop