トラフィックから攻撃を短時間で抽出、俯瞰図を描画する検出技術を開発(富士通研究所) | ScanNetSecurity
2024.04.19(金)

トラフィックから攻撃を短時間で抽出、俯瞰図を描画する検出技術を開発(富士通研究所)

富士通研究所は、特定の組織などを攻撃対象とする標的型サイバー攻撃に対し、攻撃を見つけた後の被害の状況を迅速に分析する技術を新たに開発したと発表した。

製品・サービス・業界動向 新製品・新サービス
開発した技術の概要
開発した技術の概要 全 2 枚 拡大写真
株式会社富士通研究所は5月13日、特定の組織などを攻撃対象とする標的型サイバー攻撃に対し、攻撃を見つけた後の被害の状況を迅速に分析する技術を新たに開発したと発表した。この技術は、攻撃の状況分析に必要な情報収集部分を、ネットワーク通信の解析によって自動化・効率化することで、専門家のノウハウによって長時間かけて分析することなく、標的型サイバー攻撃の進行状況の全貌を短時間で分析し、ひと目で把握するフォレンジック技術。

同社が今回開発したのは、証跡の収集技術と攻撃進行状況の抽出技術。証跡の収集技術では、ネットワークを流れる通信データを取得し、PC端末で実行されたコマンド操作を推定することで、膨大な通信データを操作のレベルに抽象化して圧縮する。また、通信データから特定したユーザ情報とコマンド操作を効率的に紐づけることで、誰がどのような遠隔操作を行ったのかを特定し、コマンド操作についての証跡情報を収集する。これにより、ネットワークを流れる通信データを、約1万分の1に圧縮して蓄積できるという。

攻撃進行状況の抽出技術では、収集技術で集めた証跡情報を、標的型サイバー攻撃に特徴的な動作の定義をもとに、正常な業務による通信と攻撃の可能性の高い通信を識別して分析、攻撃の進行過程を短時間で抽出する。標的型サイバー攻撃を検知した際には、攻撃に関係したPC端末を芋づる式に抽出し、攻撃の進行状況についての俯瞰図を自動的に描画することで、攻撃の全貌をひと目で把握できるようにする。同社は今後、運用性を向上させるなどさらなる機能向上を行い、2016年度中の実用化と、2016年度以降に富士通株式会社の提供するサービスへの実装を目指すとしている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 東芝テックが利用するクラウドサービスに不正アクセス、取引先や従業員の個人情報が閲覧された可能性

    東芝テックが利用するクラウドサービスに不正アクセス、取引先や従業員の個人情報が閲覧された可能性

  2. バッファロー製無線 LAN ルータに複数の脆弱性

    バッファロー製無線 LAN ルータに複数の脆弱性

  3. Windows DNS の脆弱性情報が公開

    Windows DNS の脆弱性情報が公開

  4. 「引っかかるのは当たり前」が前提、フィッシングハンターが提案する対策のポイント ~ JPAAWG 6th General Meeting レポート

    「引っかかるのは当たり前」が前提、フィッシングハンターが提案する対策のポイント ~ JPAAWG 6th General Meeting レポート

  5. 転職先で営業活動に活用、プルデンシャル生命保険 元社員 顧客情報持ち出し

    転職先で営業活動に活用、プルデンシャル生命保険 元社員 顧客情報持ち出し

  6. プルーフポイント、マルウェア配布する YouTube チャンネル特定

    プルーフポイント、マルウェア配布する YouTube チャンネル特定

  7. セキュリティ対策は株価を上げるのか ~ 株主総利回り(TSR)の平均値は高い傾向

    セキュリティ対策は株価を上げるのか ~ 株主総利回り(TSR)の平均値は高い傾向

  8. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  9. 東京高速道路のメールアカウントを不正利用、大量のメールを送信

    東京高速道路のメールアカウントを不正利用、大量のメールを送信

  10. フュートレックにランサムウェア攻撃、本番環境への侵入形跡は存在せず

    フュートレックにランサムウェア攻撃、本番環境への侵入形跡は存在せず

ランキングをもっと見る