「サイバー戦争論 : ナショナルセキュリティの現在」 伊東 寛 (ブックレビュー) | ScanNetSecurity
2026.09.30(水)

「サイバー戦争論 : ナショナルセキュリティの現在」 伊東 寛 (ブックレビュー)

もうひとつ書いておかなければならないことがある。書評からは離れるが、本書にはひとつ致命的な問題がある。

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「サイバー戦争論 : ナショナルセキュリティの現在」 伊東 寛 著
「サイバー戦争論 : ナショナルセキュリティの現在」 伊東 寛 著 全 1 枚 拡大写真
日本最初かつ唯一の専門家によるサイバー戦争の専門書である。作者の伊東寛氏は、陸上自衛隊のシステム防護隊初代隊長であり、退官後もシマンテック総合研究所主任アナリスト、株式会社ラック常務理事およびナショナルセキュリティ研究所所長を歴任してきた。常にサイバーセキュリティの最前線を歩いてきたばりばりの方である。

本書は、その伊東氏の集大成といえる。現場を見てきただけでなく、莫大な情報と資料を読み込んだ成果がこの一冊に詰まっている。

歴史的背景、サイバー技術と戦争のかかわり、サイバー戦の機能や特徴、過去のサイバー戦の実例、サイバー兵器と戦士、法的問題など包括的な話題を取り扱っている。過去の事例や諸外国の動きも抑えてあり、未解決の課題にも触れている。

本書は当初、自衛隊のサイバー戦関係者を想定していたが、その後一般読者にもわかりやすいよう修正を加えたそうである。そのため、一般になじみのない用語については、適宜注釈がつけられていてわかりやすくなっている。同じページの下段に注釈があるのは、そのまま読み続けられるので便利だろう。また、それとは別に巻末に用語集もあるので、これはこれで言葉だけ知りたい時に重宝する。サイバー関係の言葉は、定番となるような用語集が存在しないので、こうした用語集の存在はとても助かる。

《一田 和樹》

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