[インタビュー] セキュリティ人材育成は日本だけの課題ではない、デロイトサイバーチーム日蘭対談
「3日目のハッキングゲームのときには成長して、積極的に心を開いて取り組んでいました。いろいろなことを模索、探索することは非常に重要なことですので、そうしたポジティブな変化を目にできたことはうれしい驚きでした。」
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――今回東京大学向けに行ったトレーニングの概要を教えて下さい。
Hugo氏:
今回は学生に対して3日間のコースを行いましたが、本来は技術者やコンサルタント向けに提供している5日間のコースを短縮したものです。技術だけでなく倫理やガバナンスの領域まで幅広く網羅する、セキュリティの全体像が分かるコースです。
白濱氏:
5日で人が育つことはないので、あくまで入口としての入門コースです。むしろ、コースを受けた後に、本人がどう考え、何かをするのかといったところが重要だと考えています。
●3日目で変化をみせた東大生
――講義で3日間を過ごした学生にはどんな印象を持ちましたか?
Hugo氏:
オランダ人は直接的です。日本の文化では失礼なくらいに単刀直入です。それはいい資質だとも思っています。一方、日本の文化は丁寧で礼儀正しい。生徒も、最初の2日は言われたことだけをやっていました。
しかし、3日目のハッキングゲームのときには成長して、積極的に心を開いて取り組んでいました。いろいろなことを模索、探索することは非常に重要なことですので、そうしたポジティブな変化を目にできたことはうれしい驚きでした。日本の文化や習慣とは反対のことなので、ショッキングでもありました。彼らが自分のいつもの快適なゾーンから、一歩踏み出すところを目撃できたと思っています。
Joost氏:
週末を使って参加してくれた学生さん達からは、学びたいという気持ちをとても強く感じました。
●ベースラインが整備されていないことから生じる人材のバラツキ
――白濱さんが感じている、日本のセキュリティ人材育成の一番の課題は何ですか。
白濱氏:
私は過去に首都大学東京の産業技術大学院大学でセキュリティの講義を担当しており、今は東京電機大学の CySec でデジタルフォレンジックの講義を受け持っていますが、その中で思うのが、「生徒のレベルにバラツキがある」ということです。
――バラツキの原因は何だと考えていますか?
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》
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