支払いと拡散を選ばせるランサム、ドキシング、機械学習の犯罪利用など予測(Avast Software)
Avast Softwareは、2017年に台頭すると予測されるサイバーセキュリティ脅威を発表した。
脆弱性と脅威
脅威動向
・「誰でも作れるランサムウェア」の年
オープンソースのランサムウェア・プログラムの増加により、独自のランサムウェアの作成・購入が、かつてないほど容易に行えるようになった。このため、ランサムウェアは定着し、2017年にはより大きな問題になる。
・「支払いか拡散か」を選ばせるランサムウェアの拡大
身代金の支払いではなく、ランサムウェアの拡散を要求する新たなトレンドが生まれている。選択肢を示すランサムウェアがさらに増加する。
・IoTデバイスを標的とし、ソーシャル・エンジニアリングを使用する「Dirty COW」脆弱性
「Dirty COW」は9年間にわたって存在していたと言われる、Linuxカーネルの権限昇格の脆弱性であり、攻撃者は許可の枠組みを迂回して、正規の読み取り専用コードを書き換えることが可能となる。2017年には、ソーシャル・エンジニアリングの戦術を通じてこの脆弱性が拡散する。
・「ドキシング」による個人情報の拡散
犯罪者がユーザの大切なファイル(プライベートな電子メール、写真、インスタント・メッセージの履歴、企業契約、給与明細など)の複製をダウンロードし、支払いに応じない場合はこれらのファイルを公開・拡散すると脅す「ドキシング」が一般化する。
・2017年にはIoTデバイスの奴隷化が拡大
IoTデバイスに加え、BYOD習慣の延長である「Wear Your Own Device(WYOD)」の一般化により、ウェアラブル端末の増加が攻撃の機会を生み出す。ISPは、スマートルーター・プラットフォームへの移行を進める。
・機械学習の到来 - すでに犯罪者の手に?
低コストのコンピューティングやストレージと、既製の機械学習アルゴリズムとAIコードの利用の組み合わせは、犯罪者によって攻撃目的で導入される可能性も予測される。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》