WordPress に REST API における値検証不備により遠隔から任意のコンテンツが上書き可能となる脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

WordPress に REST API における値検証不備により遠隔から任意のコンテンツが上書き可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

世界的なシェアを誇る CMS ソフトウェアである WordPress のバージョン 4.7 および 4.7.1 に、遠隔から任意のコンテンツが上書きされてしまう脆弱性が報告されています。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
◆概要
世界的なシェアを誇る CMS ソフトウェアである WordPress のバージョン 4.7 および 4.7.1 に、遠隔から任意のコンテンツが上書きされてしまう脆弱性が報告されています。脆弱性を攻撃者に悪用されることにより、既存のコンテンツを書き換えられてしまいます。当該脆弱性に対処されたバージョンがすでに公開されているため、WordPress をアップデートすることにより対策することを推奨します。
----------------------------------------------------------------------
◆分析者コメント
当該脆弱性には本記事執筆時点 (2017 年 2 月 9 日) では CVE 識別子の割り当ては無く、脆弱性の影響を受けるバージョンは限定的です。しかし、脆弱性を悪用するための HTTP リクエストが容易に作成可能であり、脆弱性の悪用の前提条件に認証を必要としないため、攻撃者から狙われる可能性が高いと考えられます。すでに当該脆弱性による被害事例が観測されているという報道 (関連情報 [3]、[4]、[5]) もあり、WordPress の利用者数規模を考慮すると、社会的な影響度が高い脆弱性であると考えられます。WordPress を最新版にアップデートすることにより、早急に対策してください。
----------------------------------------------------------------------
◆深刻度(CVSS)
本記事執筆時点 (2017 年 2 月 9 日) で CVE 識別子の割り当ておよび CVSS 値情報は確認していません。
----------------------------------------------------------------------
◆影響を受けるソフトウェア
WordPress 4.7 および 4.7.1 が当該脆弱性の影響を受けます。脆弱性は 4.7 から導入された REST API の機能に起因するものであるため、4.7 系未満のソフトウェアについては当該脆弱性の影響を受けません。
----------------------------------------------------------------------
◆解説
世界的なシェアを誇る CMS ソフトウェアである WordPress のバージョン 4.7 および 4.7.1 に、遠隔から任意のコンテンツが上書きされてしまう脆弱性が報告されています。

当該脆弱性は RESTful なコンテンツ作成を実現するために WordPress のバージョン 4.7 から標準化された REST API の機能に起因するものです。 API の update_item_permissions_check メソッドと update_item メソッドにおける投稿 ID の検証不備のため、攻撃者は当該不備を悪用することにより、本来は権限がないコンテンツの内容を書き換えることが可能となります。

《株式会社ラック デジタルペンテスト部》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  2. 訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

    訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

  3. 社員のセキュリティ意欲高める施策とは? 罰則は逆効果 ~ プルーフポイント「2024 State of the Phish」日本語版公表

    社員のセキュリティ意欲高める施策とは? 罰則は逆効果 ~ プルーフポイント「2024 State of the Phish」日本語版公表

  4. LINEヤフー委託先への不正アクセス、報告書を受け 2 度目の行政指導

    LINEヤフー委託先への不正アクセス、報告書を受け 2 度目の行政指導

  5. スペシャリスト集結! マネーフォワード・ラック・富士ソフト・電通総研から学ぶ、脆弱性診断内製化の成功法則とは? AeyeScan 導入企業との公開対談

    スペシャリスト集結! マネーフォワード・ラック・富士ソフト・電通総研から学ぶ、脆弱性診断内製化の成功法則とは? AeyeScan 導入企業との公開対談PR

  6. タカラベルモントの海外向けウェブサイトのサーバがフィッシングメール送信の踏み台に

    タカラベルモントの海外向けウェブサイトのサーバがフィッシングメール送信の踏み台に

  7. 情報処理学会、高等学校情報科の全教科書の用語リスト公開

    情報処理学会、高等学校情報科の全教科書の用語リスト公開

  8. 国内カード発行会社のドメイン毎の DMARC 設定率 36.2%「キャッシュレスセキュリティレポート(2023年10-12月版)」公表

    国内カード発行会社のドメイン毎の DMARC 設定率 36.2%「キャッシュレスセキュリティレポート(2023年10-12月版)」公表

  9. Acompany で 4 件の Google フォーム誤設定、最大 164 名の個人情報が閲覧可能に

    Acompany で 4 件の Google フォーム誤設定、最大 164 名の個人情報が閲覧可能に

  10. LINE client for iOS にサーバ証明書の検証不備の脆弱性

    LINE client for iOS にサーバ証明書の検証不備の脆弱性

ランキングをもっと見る